- 22.5.1 寒〜!
-
東北では雪が降っているらしい。
おいおい、もう5月だぜ!
こちらも寒い。
ワープロを打つ手がかじかんでいる。
先程から、震えも止まらない。
え?これって武者震い。
そう、明日は決戦の日なのだ。
じぇったいに負けへんで〜!
意味不明で、ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃ〜!
- 22.5.2 悪意
-
どうしてこんな意地悪するのかな〜?
性格がひん曲がってるからなのか?
急遽、母の退院が決まった。
またもや突然の方針変更だ。
しかも、例によって一方的な宣告だった。
退院の理由は、総合的な判断によると言われた。
詳しい説明を求めると、
1.リハビリの治療としてはこれ以上行うことがない。
2.病床が逼迫している。
とのことだったが、そんなのウソだ。
前回医師と話をした際には、「入院できるリミット(7月)までリハビリを続けましょう」と、言われていたのだから。
本当の理由は、別の所にあるはずだ。
手術を受けるためにはその病院で検査等を受けなければならない。
ただ、他院に入院中の場合は、法に触れるのだそうだ。(真偽は素人には分からぬが)
それを特例として認めてきたが、このように度重なると迷惑らしい。(え、2回だけだよ)
けど、あと1回のことなのに何故?
食い下がって訊いても言葉を濁すばかり。
「師長の判断ですね」と問い糾すと、「そう捉えられるのならそれでも構わない」と医師は苦しそうに答えた。
結局、煩わしいと言うのが本音なのだろう。それとも、自分のルールに反することは認めたくないからなのか。
何が気に入らんねん。そんなに面倒なことなのか?
「とにかく決定ですから」と言われ、従うしかなかった。
ただ、最後に師長には言わせてもらった。
「貴方は患者のことをただの厄介者と考えていますね。患者の気持ちに立っておられるなら、○○のような発言は出ないはずですが」
と、例を挙げて糾弾させてもらった。
実は、その師長に会うのはまだ2回目。電話で話したのも2回しかないのだが、たったそれでも不適切な発言がいくらでも出てくる。
「そのようなことを言った覚えはありません」とシラを切るので、
「あれほど大声で仰っていたのですから、周りの看護師さんにも聞こえていたはず。確認して下さいよ」と言うと、ようやく事実を認めた。
最後は、目に涙を浮かべ、謝罪してきたが、よくぞまあ臭い演技ができるものだ。完全に無視させてもらった。
さあ、忙しくなるぞ。
取りあえず、手術日までは同居するしかないのだからね。
これまで同居を避けてきたのは、生活時間帯が全く違うから。
一緒に暮らせば、却って母の寿命を縮めることになりかねない。と思ったからなのだ。
まあ、いつかは同居と思っていたから、それが少し早くなっただけと考えようか。
- 22.5.3 作文
-
作文講座の1回目が終了。
久し振りの作文指導で緊張したが、我ながら、上手く進められたように思う。
今回は6年生対象だったので、「インパクトのある文章を作ろう」をテーマにさせてもらった。
書き出し部分の工夫。五感から得られる印象。伝えたいことを絞る。など、例を挙げて説明した。
その成果は明らかだった。
2作書いてもらったが、2作目は1作目と雲泥の差のように思えた。
まあ、題材を『お母さん』にしたことも功を奏したのだろう。
受験体験記の掲載も終了したことだし、今回の作文をいくつかHOPES通信に紹介していこうかな。
駄作ながら、もしも生徒達が全く書けなかったら例として示そうと思っていた私の作文を紹介しよう。母の手
いつの間に、こんなに細くしわくちゃになってしまったのか。
久し振りに会った母の手を見て、涙ぐみそうになっていた私。
年齢のせいなのか。
長引く入院生活のためなのか。
いや、それだけではあるまい。
幼い頃の思い出が蘇る。
母に手を引かれ、自宅から少し離れた商店街まで、よく買い物に連れて行ってもらった。
「何処まで行くの。疲れたよ」と私がぐずると、
「良い子にしてなけりゃ、(途中ある)交番に連れて行くよ」と母。
一瞬ギョッとしたものの、柔らかいその手から伝わる暖かさから、すぐにそれが嘘だと分かり、安心したものだ。
その母が、今は私に手を引かれている。
苦労をかけた。ウソばかりついて、心配ばかりかけた。孝行らしいことは、何一つできなかった。
後悔ばかりが頭をよぎる。しかし、今さら悔いても遅い。
残された時間はそう多くはないだろう。
それでも、少しでも長く一緒に過ごせたらと、母の手を握りながら、強く願った。
- 22.5.4 卒業生
-
まさかこの子達と呑める日が来るなんて。
昨夜は、とびきりのかわい子ちゃん達とデート。
21期生だから今年22才になるお嬢さん達だ。
大学合格の報告に来てくれて以来だから4年ぶりだ。
すっかりキレイになってこちらがドギマギするくらい。
けど、ちゃんと昔の面影を残していて、ケバくもなっておらず、私は一安心。(え?オッサンは関係ないってか)
1人は今年から社会人。
東京で働いていると言う。
どちらかと言えば控え目なイメージだった子が、すっかりアクティブに変身していた。
きっと今の彼女が本来の姿なのだろう。
10人でシェアハウスで暮らしているらしい。
妖怪シェアハウスか?と訊いたら、怪訝そうな顔をされた。
もう1人はこの春大学院に進んだ。
研究に明け暮れる毎日だそうだ。
生徒時代は「おばちゃん」の異名を取る世話好きな子だったが、明るい性格は今も変わらないのだろう。
とびきりの笑顔で、頻りに水ばかり飲んでいた。
2人が会うのも4年ぶりらしいのだが、意外な接点が。
1人が就職した会社の動画をもう1人はチャンネル登録していて、
「あの動画は私がUPしたのよ」
「え〜!ウソ〜!!」
などと、盛り上がっていた。
教え子の元気な姿を見るのは最高の喜びだ。
これからもがんばってもらいたい。
- 22.5.5 連日
-
連日、呑み会が続いている。
昨夜は長男夫婦と。
息子の誕生日前祝いという名目でね。
奇しくも、場所は前夜の店から100mも離れていなかった。
いずれの店も初訪問だったが、最近、その近辺で呑むことが多い。先月息子と呑んだのもこの近くだったしね。
32年前に教室を開いた場所がちょうどこの辺り。
久し振りに教室跡を訪ねてみたが、教室のあった地下は既になくなっていた。
店は繁盛していた。
コロナの行動制限がなくなったからだろうが、前夜の店も満員だったし、このまま無事に以前の賑わいが戻れば良いと願う。
息子と過ごす時間は掛け値なしに最高だ。
昨夜も楽しい時間を過ごさせてもらった。
ただ、何時までも夢のような時間に浸ってはいられない。
連休も終わった。厳しい現実に向けて、気を引き締めていかねば。
- 22.5.6 リクエスト
-
「今度の土曜日、遅刻しますから、ビデオをお願いします」
保護者からのメモを受けとった。
おかしいな〜。その時間帯には授業をしていないはずなのに。
生徒に確認した。
「君が来るまでの私の姿をビデオに撮っておけば良いの?」
「え?!次の土曜は質問日じゃないのですか」
はは〜ん。謎が解けた。
質問日は2学期以降は毎週土曜だが、1学期は第2第4土曜に設けている。
先月末が第5土曜だったため、隔週開催と勘違いしていたのだ。
他にも同じような事を訊いてくる子がいた。
「よ〜し!じゃあ、今度の土曜日は授業をしようか」と私。
安堵の表情を浮かべている生徒もいたが、多くの子は下を向いていたため、歓迎されているのか嫌がられているのか、その真意は分からない。
けど、時間があるときにはできることをすれば良い。
何もつまらないルールに拘る必要はない。
何より、前向きな要求には応えてあげたいしね。
「じゃあ、その次の週はどうなるのですか?」と尋ねた子もいたが、それはまたその時に考えれば良いさ。
- 22.5.7 減量
-
ここ2〜3日で、体重が2kg程減った。
ダイエットをしているわけではない。
尾籠な話で申し訳ないが、原因不明の腹痛のせいだ。
もともと体重の増減は大きい方だ。
朝と晩では大抵1kgくらいの差はある。
しかし、1日で3kg近く減ったときには流石に焦った。
これは喜ぶべきなのだろうか。
答えは当然Noだろう。
体重が減っても体型は変わっていないし、どうせまたすぐ元に戻るのだろうからね。
ただ、少し楽しみでもある。
どこまで減るのだろう。
20才の頃の61kgまで減ればなんてさ。
あと10kg。絶対あり得ないだろうけどね。
- 22.5.8 母の日
-
贈ったのではない。
長男夫婦からハニーに贈られたものだ。
ケーキらしい。食べるのがもったいないほど綺麗だ。
私は母に電話をしただけ。
ハニーのお母様には、プリザーブドフラワーを贈ったけどね。
元気で長生きして欲しい。
願うのはそれだけだ。
もったいないなんて言いながら、結局全部平らげちゃいま酒た。
もう、お腹パンパンで酒!
- 22.5.9 退院間近
-
「退院間近」と打ったつもりが、「退院マジか」と変換された。
ぢ(DI)をじ(JI)と打ち間違えたからだが、私の心の中を見透かされたようで、妙な気分だ。
まあ、経緯はどうであれ、退院できることは喜ぶべきだろう。
退院前のカンファレンスなるものが開かれた。
師長は参加せず。
おかげで、穏やかな心で話が聞けた。
「先ずは、お母さんがどれだけ歩けるかを見てもらいましょう」と介助士。
手すり伝いに自力で歩く母。
ゆっくりではあるが、ちゃんと進んでいる。
今度は、杖を使って。
これも自力で歩けている。
車椅子がなければ移動できないと思っていただけに、正直嬉しかった。
「これなら自宅でも生活できるでしょう」と言われ、大きく頷く私。
もちろん、しばらくは誰かが絶えず側にいることが絶対条件だろうが、寝たきりの状態にはならずに済みそう。
最悪の事態は回避された、と思って良いだろう。
まだ、安心するのは早いが、取りあえずは一安心かな。
- 22.5.10 賞味期限
-
実家で冷蔵庫内の食品チェック。
なんと、ほとんど賞味期限が切れていた。
まあ、3ヶ月以上も入院していたから仕方ない。
勿体なくても、処分するしかあるまい。
健康体なら多少の期限切れは平気だろうが、弱った体に無茶は通じないものね。
冷蔵庫内は空っぽになってしまったが、な〜に、また買えば良いさ。
さあ、明日は退院だ。
天気が心配だが、文句ばかり言っても始まらない。
土砂降りにならぬ事を祈っておこう。
- 22.5.11 記念日
-
今日はいろんな意味での記念日だ。
長男の誕生日。31才になった。
母の退院。100日ぶりに実家に戻れた。
母との同居生活開始。もちろん、私が帰る頃には寝ているんだけどね。
取りあえず、目出度い目出度い。
- 22.5.12 初日
-
母との同居1日目。
う〜ん。初日からなかなかハードだった。
なんと、私の睡眠時間は3時間。
毎日これが続くわけではないだろうが、眠りに就いたのが1:00。呼び起こされたのが4:00だものね。
二度寝が許されれば良かったのだが、今日は大阪で受診の日。
外は生憎の雨。道路状況が読めないだけに、余裕を持って動きたい。
幸い、高速道路の渋滞は大したことなく、病院には予定時刻の1時間前に到着。
しかし、駐車場に入るまで小1時間かかり、結局、ギリギリの行動になって仕舞った。
今日の検査項目は少なかったのだが、ここでまたハプニング発生。
母の体温が高い。37.7℃もある。
疲れが出たのか、それとも・・・?
これでは検査はできませんと言われ、何度も測定し直し。
その度に2階と1階を行ったり来たり。何往復しただろうか?
最後はPCR検査を受け、コロナの陰性が確定。やっと、受診してもらえた。
それでも、前の病院の杜撰さのおかげで、追加の検査が必要となり、後日出直すことになった。
まあ、一歩ずつ前進していると考えよう。
母を自宅に送り届け、教室に入ったのは19:00前。
なんとか、授業には間に合った。
しかし、ここでこれまたショックな出来事が発覚。
卒業生が訪ねてきてくれたようだ。
2期生で東大寺を卒業するも、塾の講師を経て、現在は僧侶という、異色の人物。
会いたかったな〜。
- 22.5.13 2日目
-
ぐっすり寝た。おかげでかなり元気になった。
母も疲れていたのだろう。夜中に起きることもなく、朝まで眠り続けていた。
大騒ぎするほどのことじゃない。
そもそも、私は何もしていない。ただ同じ空間にいるだけ。
母は寝たきりではないので、大方のことは自分でできるし、私の方が居候しているみたいだ。
そりゃ、多少の不便はある。
自宅と実家との往復。ハニーと一緒にいられないこと。ネット環境が整っていないこと等。
けれど、大したことではない。安心感の方が勝っている。
これからのことは分からない。
けど、何とかなるだろう。
ハニーには負担をかけるけどね。
同居レポートはこれにて一旦終了。
心配して下さった方々、大丈夫で酒。
ありがとうございま酒た。
- 22.5.14 M氏
-
「あれ〜。Mさんだ!」
ニュース番組を見ていて驚いた。
50年ぶりにお見受けしたお顔は、私よりも遙かに若々しく見えた。
Mさんは私の1才年上。
小学校時代の塾の先輩だ。
当時はよく可愛がってもらった。(やや、残虐性もあったが)
家も近かったし、行き帰りは自転車で一緒だった。
年賀状でM氏の名前(=聡太郎さん)を恥太郎と間違えて、叱られたのも良い思い出だ。
以来、すっかりご無沙汰だったが、ハニーはM氏夫妻に会っている。
M氏のご子息が次男と同じ学校の1学年上で、東大の卒業式でM氏夫妻がハニーの真後ろに座っておられたそうだ。
実は、私はM氏の奥様を知っている。
その昔、電車の中でむっちゃ可愛らしい子がいて、「早見優に似ているって言われませんか?」と尋ねたことがあった。(何してんねん?20才の私)
その子がM氏と結婚したと知ったときは驚いた。
テレビの中のM氏は、海外で流行している小児肝炎(アデノウイルス)について語っておられた。
ふぉえ〜!お医者さんになったとは聞いていたが、ここまで偉くなられたとは知らなかった。(現在は大学教授らしい)
道理でね。
少し前にFacebookで見つけて友達申請させてもらったけど、軽くスルーされた訳がやっと分かった。
お目にかかりたいとは思うが、きっと私の事など覚えておられないのだろうな。
そう思うと、チョッピリ悲しいな。
- 22.5.15 教え子
-
教え子からメール。
30年前の生徒だ。
「息子をなんとかして欲しい」とのこと。
「はい!喜んで!」と言えないのが、私の辛いところ。
何故なら、私は「生徒を預かる=その子の人生を預かる」と考えている。
安請け合いは絶対に禁物だ。
「先ずは、会って話を聞こうか」となった。
30年経っても生徒の顔は忘れない。
当時から背の高い子だったが、今もその面影を残し、スリムでスラッとしていた。(って、何処見てんねん)
なんと歯医者さんになっていた。開業したばかりだと言うから驚いた。
いろいろと事情があるようだ。
けど、本人がやる気だということで、引き受けることに。
引き受けた以上は、とことんやったるで。
しっかりついて来るんだぞ。
- 22.5.16 恐怖
-
ミシッ、ミシッ。
廊下が軋む音がする。
誰もいないはずなのに。
時刻は夜中の1時過ぎだ。
子どもの頃、親戚の家に泊まると、(環境の違いからか)なかなか寝付けなかった。
田舎にあるそれらの家はたいていが大きく(当然和風)、夜は静寂に包まれる。
天井板の節目模様や廊下の暗闇がやたら怖かった。異界の者が潜んでいるように思えてね。
トイレも和式でそれだけでも恐怖なのに、そこに行くまでの廊下が軋むのだ。
夜中に、泣きそうになりながらトイレまで行き、用を足した後は全速力で戻ったのを覚えている。
もちろん、幼い頃の話だ。
流石にこの年になって・・・。
馬鹿馬鹿しいと笑われるだろう。
ただ、オバケの類いを信じているわけではないが、霊の存在を全否定はできない私。
現在、私は実家の2階で寝ている。
階下から聞こえる母の寝息をBGMに、安心して眠る毎日だ。
ところが、昨夜はなかなか寝付けなかった。
休肝日だったせいもあるのだろうが、変な物音が聞こえてくるのだ。
廊下を誰かが歩いているような音がね。
何があっても目は開けないぞ!と一度は眠ろうとしたのだが・・・。
やはり気になる。
賊でも忍び込んでいるのだろうか。母に危害が及んだら大変だ。
思い切って下に降りてみた。
恐る恐る音が聞こえてくる部屋を開けてみる。
誰だ!と叫んでみたが、何もいない。
雨戸も閉まっている。
気のせいだったのか。風で建物自体が軋み、それが足音に聞こえたのか。
大丈夫だ!大丈夫だ!と自分に言いきかせ、2階に戻った。
頭から布団を被り、いつの間にか眠りに落ちた。
おかげで、今日も(超絶)寝不足だ。
- 22.5.17 時間
-
時間の密度については、いつも不思議に思う。
例えば、同じ1時間。
受験生が必死に入試問題を解いている1時間と、テレビを見ながらあははと笑っている1時間では、まるで濃さが違う。
以前は、心の持ち方が原因だと思っていた。
張りつめた気持ちでいるときは時間が早く過ぎ、穏やかな気持ちのときはゆっくりと時間が流れる。
その時の心理的状況が影響しているのだ。とね。
けど、果たしてそれだけが原因だろうか。
それぞれの空間が持つ時の流れ方?上手く表現できないが、状況や環境次第で時間の流れる速さは変わるのではないだろうか。
例えば、病院で過ごす1時間(ほとんどが待ち時間だ)と電車等で移動中の1時間。
これも心理的状況が影響しているのかも知れない。病院で焦っても仕方ないとね。
しかし、極端な表現が許されるなら、病院内の時間は(医療従事者にとっては慌ただしい時間でも、患者側にすれば)止まっているように思える。
あれ?これも気持ちのせいなのか?
やっぱり、よう分からんわ。
あ、そうか?そうで酒よ!気のせいで酒よ!!
だって「世の中、8割が気のせい(by呑ちゃん)」で酒からね。
- 22.5.18 考え方
-
またしても、ハニーに完敗だ。
先日のラップ音。
私は震えていただけで、その正体を良からぬもの=悪と考えていた。
ハニーは違った。
「お父さんが会いに来てくれはったんよ」
成る程、物は考えようだ。
そう思えば怖くないし、むしろ嬉しくなってくる。
母との同居生活も然り。
慥かに、多少の不便や煩わしさはある。
けれど、一緒に過ごせる幸せな時間と考えれば、なんとも有り難いではないか。
その貴重な時間もあと数日。
今の時間が、母にとって、楽しかった思い出になりますように。
- 22.5.19 成長
-
「僕は受験はしません。中学校は公立に進み、中学を出たら働きます」
ある生徒の言葉だ。
いくら言っても勉強に対する姿勢を改めようとせず、業を煮やした保護者からの依頼で設けた3者面談でのこと。
保護者とは前もって
「先生の口から『こんな調子じゃ辞めさせるぞ!』と言って下さい。そしたら私が考え直すように諭しますから」と示し合わせていた。
「2日間考えろ!そして君の返事を聞こう」と打ち合わせ通りに、その場はいったん帰らせ、改めて出直してもらった。
その返答が「中学を出たら働く」宣言だったのだ。
慌てたのは保護者。想定外の返事に狼狽え、「もう一度話し合います」と言い残し、息子を抱えるようにして脱兎の如く教室を去っていた。
時は流れて、それから14年。
立派に成長したものだ。
国立大学へ進学し、現在は大学院で研究に明け暮れているらしい。
就活で大阪に来たので、顔を見せに来てくれたのだ。
短い時間だったが、いっぱい話をした。
一番最初の授業で、私に浣腸をかました事は覚えていたが、就職宣言の件は覚えていないという。
親に感謝しろよ!とだけ言っておいたが、分かっただろうか。
酒もいける口らしい。
本当なら、呑みに連れて行きたかったのだが、まあ楽しみはとっておこう。
生徒の成長を目の当たりにするほど嬉しいことはない。
卒業生のみんな。
私が元気な内に会いに来ておくれ。
待ってるからな。
- 22.5.20 千客万来
-
昨日の日記に書いたからだろうか。
またもや、卒業生が会いに来てくれた。
「就職が決まって、大阪を離れるからご挨拶に」とのことだ。
嬉しいな〜。
4年ぶりの邂逅に、懐かしさがこみ上げて来た。
この子もたくさんたくさん思い出のある子なのよ。
もっともっといっぱい話をしたかったのだが、お互い忙しい。
小一時間しか時間が取れなかった。(だって、当日の連絡だもの)
最後に「日記を見たから来たの?」と尋ねたら、困った顔で全否定された。
まあ、そんなもんでしょ。
元気でがんばれ!また会おう。
- 22.5.21 逃亡
-
私は卑怯者だ。
ついに、睡眠不足が限界を超え、実家から逃亡してしまった。
連日3時間の睡眠は流石にキツい。
日曜の授業は9:00始まり。8:00過ぎには教室に入らなければならない。加えて、9時間授業が待っている。
ここ数日は、明らかに思考停止状態だったし、このままじゃ授業に支障を来す。
と言う理由で、実家に泊まることを一日だけ止めさせてもらった。
実際、私が帰る頃には母は寝ているし、家事のできない私は、ただ居るだけの状態だったのだが・・・。
けど、それは所詮口実に過ぎない。
結局のところ、現実から逃げ出したかっただけだ。
あ〜あ、情けない奴め。
今後のことは、もう一度考えなければならないな。
- 22.5.22 大雨
-
遠くで稲妻が光っている。
ワイパーをフル稼働させても前が見えない。
そんな中、私は実家へと車を走らせていた。
突然のゲリラ豪雨。
教室を出たときは雨は降っていなかったのに。
けど、1時間もすれば雨は上がるだろう。
慌てる必要もなかったのだが、後ろめたさが私を急き立たせていた。
母と過ごす最後の夜だ。
何の役にも立たないが、せめて今宵は側にいたい。
無事到着。
母は眠っていた。
明日、母は手術のために入院する。
ようやくこの日を迎えることができた。
支えて下さった方々に感謝だ。
さあ、私も眠ろう。
朝一出発ではないので、少しは休めるだろう。
- 22.5.23 延期
-
無事、朝を迎えた。
何事もなかったかのような快晴だ。昨夜の驟雨がウソのよう。
私の睡眠不足を除けば、何の問題もない。
先程、入院手続き完了。
母を病院に預けてきた。
一安心だ。
と言っても、入院準備はすべてハニーがしてくれたし、私はただの運転手だったが。
手術は明日。
不安がないと言ったらウソになる。
しかし、ここまで来た以上、無事を祈るしかない。
と、ここまで書いて、日記も一旦UPしたのだが・・・。
先程、病院から連絡を受けた。
血液検査の結果、白血球が非常に少ないので、手術を行うのはリスクが高い。
従って、今回の手術は延期とさせてもらう。
とのことだった。
ぐあ〜ん!何と言うことだ。
はてさて、一体どうなることやら。
- 22.5.24 グッバイ!ネガティブ!!
-
祝!退院!!てか?
いや、流石にそこまで馬鹿ではないし、馬鹿にもなれない。
今日から始まった、母との同居生活第2章。
人生は思い通りにはならない。
そんなことくらい、60数年も生きていれば分かっている。
それでも、事が上手く運ばれなければ、落胆もすれば、愚痴りたくもなる。
もちろん、不平不満を口にしたところで、何の進展もないことも分かってはいる。
現実は現実として受け止め、前を向いて歩んでいかなければならないこともね。
しかし、それには時間が要る。
特に、私のような小者には。
今日は生徒達にメールで愚痴ってしまった。
元気を与えなければならない立場の者が、「お願い!(君たちの)元気を下さい」だなんて、最低だ。
生徒諸君。済まなかった。情けない先生で酒ね。
けど、そのおかげでふんぎりがついた。
疲れが溜まると、思考が止まる。
思考が止まると、心が萎える。
心が萎えると、前向きには考えられなくなる。
ネガティブになればなるほど、疲れるばかり。
いわゆる悪循環。
一体どうすりゃいいのだ?
簡単なことだ。
負の連鎖をどこかで断ち切れば良い。
疲れを取るとか、ネガティブ思考を捨てるとかね。
人生、ケセラセラ!
どうせ、なるようにしかならないのだからさ。
- 22.5.25 夏?
-
いきなり暑くなった。
事務所で初冷房。(教室はまだ。え?ずるい?)
蚊に刺された。
ベープを使おうとしたら、液漏れしていててダメ。
とにかく、やたらと蒸す。
梅雨入りしたかのような蒸し暑さ。
嫌な感じだ。
皆の衆。健康注意。体調管理にお気をつけあそばせ!
- 22.5.26 真相解明
-
道理で暑いわけだ。
肌着がヒートテックだった。
ホントおバカで酒ね〜!
エアリズムに変えたから、これで少しはマシになるだろう。
- 22.5.27 基準
-
母の内科受診。
白血球の数値が低いと言われ、手術が延期になったためだ。
と言っても、手術を受ける病院での受診ではない。
事の始まりとなった病院での診察だ。
予め、誤解のないように言っておくが、私はこの医師を信頼している。
街で見かけたときですら、わざわざ声をかけるくらいだからね。
血液検査の結果は、なんと異常なしとの診断。
「手術予定の病院では、数値が低いと言われたのですが」と訴えると、
「お母さんはのこの数値はお母さんにすれば普通です」と、にこやかに返事。
「じゃ、手術をお願いしても問題ないですね」
「大丈夫でしょ」と太鼓判。
薬も今まで通り処方してもらった。
さて、来週手術予定の病院で診察を受けるのだが、今回の診察結果が通用するだろうか。
医師によって判断基準が異なるのは当然のことだろうが、はたして。
一応、今回頂いたデータも持参して判断を仰ごうと思うのだが・・・。
- 22.5.28 不携帯
-
携帯不携帯。
スマホを実家に忘れてきてしまった。
今日一日、スマホなしで過ごさなければならない。
さて、不便さと開放感のどちらが勝るだろうか。
検証結果はまたいずれ。
- 22.5.29 痒い
-
あかん。ガマンできへん。
かい〜の〜!って寛平ちゃんか?
ずっとPCに向かって座っていたら、いつの間にか蚊の餌食に。
ベープも付けているのに、何と言うことだ。
こんなジジイの血、吸っても上手くないやろ。
馬鹿な蚊だ。
あ、そうか?
生徒が少ないから、若い血を求めたくても無理なのか。
- 22.5.30 雨
-
珍しく天気予報が的中。夕方から雨となった。
ちょうど、生徒達がやって来る時間で、傘を持っておらず、ずぶ濡れになった子もいた。
本来、歓迎すべきではない今日の雨。
しかし、私はちょっと嬉しい。
え?生徒がひどい目に遭っているのに喜ぶとは、なんて歪んだ性格。人間性を疑うわ!
などと言わないでね。
実は、最近、傘を購入した。
いつものビニール傘ではない、所謂「紳士用雨傘」と言う代物だ。
高級品ではないが、値段(3000円ちょっと)の割にはさほど安っぽく見えない。
新しいその傘を、使うのが楽しみなのよ。
まるで子どもやんか!
はい、慥かに。でも、そんなワクワク感は悪くない。
ときめく心、新鮮な気持ちを失いたくないのよね。
それより、この傘。なくさないようにしなければ。
- 22.5.31 「楽園の真下」
-
私の大好きな作家「荻原浩」(知らないかな〜?歴とした直木賞作家で酒よ)の小説。
文庫化されるのを待って購入したものの、なかなか時間が取れず数ヶ月。
ようやく読むことができた。
しかし、いくらお気に入りの作家でも、少し前の私なら絶対に読まなかっただろう。
だって、「巨大化したカマキリが人を襲う」だなんて、あり得ないだろ?!
なのに一気に読み切った。
それほど面白かったのだ。
理科の授業を担当して、そろそろ5年?
以来、毎日5時間以上理科に関わったおかげで、ある程度知識も増え、昆虫にも興味が湧いてきた。
その知識がなかったら、途中で投げ出していたかも知れぬ。(とある理由で、虫は苦手だったしさ)
ネタバレになるから詳細は避けるが、カマキリが巨大化したのには訳がある。
もちろん、こじつけ部分が大きいのだが、そのこじつけが妙に納得できた。
流石、荻原浩。だてに、農作業に勤しんでいない!ってか?
いや〜!勉強って面白いで酒ね。