- 10.9.1 お手々ちゅなご〜よ〜
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昨夜の事件とは・・・。
ハニーと仲よく手をつないでコンサート会場に向かう。
ところが、突然その手が振り払われた。
向こうから知人が歩いてきたらしく、ハニーは慌てたようだ。
事情が分からぬカッパちゃんは、ぶんむくれ!
私は他人に見られちゃいけないものなのか?!
ま、照れくさかったからなのだろうけどね。
「お手々ちゅなご〜よ〜」は、長男が次男に幼い頃言っていたセリフ。今は私がハニーに使っている。
さてさて、会場到着。
今回私たちが観るのは「さだまさし」なのじゃ。
私は初めてだが、ハニーは数回観ている。彼のコンサートはトークが面白いと評判。楽しみじゃ。
ところが座席表を見てがっかり。私たちの後ろには壁しかない。すなわち最後列。が〜ん!
しかも、観客の8割以上は中高年のおば様達だった。
いささかテンションが下がったが、見せるタイプのステージじゃないから、よしとしようか。
コンサートは定刻に開演。
いきなり「主人公」「案山子」と続き、カッパは涙ボロボロ。隣でハニーも泣いていた。
噂に違わぬ面白いステージだった。
けど、笑いだけではない。途中何度かほろっとさせられ、最後は温かい気持ちになった。
今回のテーマを敢えて言うなら「命を紡ぐ」だろうか。(勝手に決めるなと怒られそう)
彼の父親が昨年亡くなられたこともあるのだろう。死生観を彼独特のユーモラスな口調で語っていたが、東大寺の関係も少しあるのかも知れぬ。
コンサート終了後、偶然教え子の親子に出会う。お母様とは実に久しぶりだった。
心に残る、素敵な夜であった。
- 10.9.2 本気
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長らく心配かけておりま酒たが、ほぼ復活で酒。
いつまでもグダグダ言ってはいられない。
2日間で6年生の保護者全員とお会いしたが、痛いほど気持ちが分かった。
我が子の不甲斐なさを嘆きながらも、希望は捨てられずにいる。
親とすれば当然だ。
わずかでも可能性があるならばと、希望を託して下さるのだ。
その想いに応えられないようじゃ、この仕事をする資格などありゃしない。
ダメだ。あかん。と嘆くだけなら誰でもできる。
それを何とかするのが、プロじゃないか。
もう迷わん。非情と言われようとも構わない。ぬるい自分とは訣別じゃ。
- 10.9.3 熔けた
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「いつまで暑いんじゃ。ええ加減にせ〜よ〜!」と呻きながら、私は畦道を歩いていた。
午後2時。日陰はない。駅までは下り坂で、まあ15分も歩けば着く距離だ。しかし、川沿いの道は涼しいだろうなんて思ったのが間違いの始まり。どこで迷ったか、線路沿いの細い道を彷徨い続けていた。
今日はとある学校の説明会。会場はホテルではなく、学校だった。暑いだろうと覚悟はしていたが、失礼があってはならぬと、ネクタイを締め、上着まで着ていた。その帰り道でのことだ。
したたり落ちる汗。たまらん。上着を脱ぎ、ネクタイを外す。
通りかかった女子大生に道を聞く。
「○○駅はどちらで酒か?」
「何やこのおっさん?!」と言う目で見られ、アゴで方向を示される。
「無礼者め」と怒鳴りたくとも、パワーは残っていない。
「おおきに!ありがとうね」と礼を言い、再び歩き出したが、彼女らとは結局駅まで一緒だった。
駅に着き、タオルハンカチを絞ると、出るわ出るわ滝のような水。ハンカチは濡れ雑巾のようになっていた。
事務所についても汗はひかない。面談を経て、そのまま授業に突入。
「あ〜!シャワー浴びたい」と思いながら授業をするが、生徒達もさぞ臭かったであろう。
説明会の感想は、機会があればまたいずれ。
こちらに書いちゃった。 - 10.9.4 金利
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普通預金の金利がまたもや引き下げになるらしい。
0.04%が0.02%になるそうだ!まあ、もとから0みたいもんだけど。
借すときはその何百倍も金利を取るくせに。
馬鹿にしているよなぁ〜。
他人の金使って金儲けしておきながら、「ごめん。お礼は出せないの」だとよ。
そもそも、私は銀行が大嫌い!
さんざん好き勝手した挙げ句、失敗したらそのつけを税金で賄うだなんて、どんな発想よ。普通に考えたらおかしいだろう。個人なら当然自己責任になる筈なのに、何故それが大銀行なら許される!?
合併合併でぶくぶく太りやがって、大きけりゃ偉いのか。全てが正しくなるのか?
「私達が潰れると困る人も多いでしょう」ってかい?
馬鹿だから、経済の難しいことは分からんが、あまり人を馬鹿にするな!
銀行関係の方、ごめんなさいよ。
あんまり思い上がるんじゃないぞ。お前らが金を作っているんじゃないだろ。ただ人の金を預かっているだけじゃないか。 - 10.9.5 発想の転換
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期待するから、裏切られたように思うのだ。
信じるから、騙されたと感じるのだ。
じゃあ、相手に何も求めなければいいじゃないか。
子どもはウソをつくもの。そうだ。割り切ろう。
彼らの言葉に真実はない。
全てがウソとごまかしから成り立っている。
初めからそう考えていたら、腹も立たない。
もしも真実を言っていれば、抱きしめてあげよう。
授業だって同じだ。
こう教えたら分かるはずと思い込むから、理解してもらえないと怒るのだ。
少し説明したぐらいじゃ分かるはずないさと最初から期待しなければ、分かってもらえたときの喜びが大きい。
少々情けない発想ではあるが、このように考えたら、相手を叱る必要はなくなる。
姿勢が悪かろうが、人の話を聞かなかろうが、集中していなかろうが、それが当たり前だと思えばいいのだ。
姿勢がよい子は誉めればよい。集中できていたら絶賛しよう。
ダメで当たり前。出来ればスゴイ。これなら誉めることばかりだ。
今までは出来て当たり前、出来なかったらダメだと思っていたから、注意ばかり。これじゃ子どもたちは萎縮する一方だ。
宿題も然り。
やって来なくて当たり前。答えを写してきて良くやった。自分の力で考えてきたら、もう最高!と誉めまくればいいじゃないか。
どうして今まで気が付かなかったのだろう。私はなんと愚か者なのだ。
けど、これからは幸せ一杯。辛抱する必要もない。悔しい思いをすることもない。苦しみは全て喜びに変わる。
本日、ためしにそのような授業をしてみた。
最初、生徒達は唖然としていた。
「先生、どないしたん?壊れたん?!」と訊いてきた。
「そうよ。壊れちゃったのよ!」と受け流したが、結構効果はあったようだ。
今までなら手を挙げない生徒が手を挙げた。話を聞かなかった生徒が前を見るようになった。
素晴らしいじゃないか。
ただ、一部の生徒達(普段からあまり注意されることがないような層)からは
「きもいからやめて!」と非難囂々だった。
まあ、上手く取り混ぜながらやっていこうと思う。
- 10.9.6 完全オフ
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な〜んにもせんかった。
流石に「パジャマの日」は勿体ない気がして、少しだけ外出したが、建設的なことは何もしなかった。
朝はゆっくり起き、お昼はカレーを食べに出かけ、事務所の時計が壊れたのでお買い物。
後は、呑んだり、食ったり、呑んだり、呑んだり。
テレビを見てもつまらないし、さあもう寝ようか。
無意味な一日だったとは思わない。明日からまたがんばろうっと! - 10.9.7 久闊を叙する
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昨日のオフでエネルギー充填120%になったカッパちゃん(宇宙戦艦ヤマトか?)
猛暑・酷暑もなんのその、今日も朝から学校説明会。
この学校の説明会にも、20年間毎年参加させてもらっている。
以前は、説明会と言うより校長先生の独演会みたいなものだったが、最近は説明の内容もバラエティに富んできた。
学校そのものにも、ようやく魅力を感じられるようになってきた。
今後に期待していきたいと(偉そうに)思う呑であった。
今日は親友Mと旧交を温める。
彼の親父さんの葬式以来だ。
なかなか時間がとれず、今日でもほんの1時間程度しか一緒にいられないだろが、それでも楽しみだ。
さあ、その前に授業だ。気合いを入れてガンバルべ!
- 10.9.8 電波時計
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台風接近のため、小雨の降りしきる中、今日も元気に学校説明会。
いや、実を言うと、今日の体調はあまり良くなかった。
昨夜の旧友との楽しい一時、結構ハイピッチで呑んだため、酔いが残ってしまったようだ。
今日行った学校は、私の大のお気に入り。教え子も多数入学している。
最近校舎が改築され、ハード面の整備が進むとともに、ソフト面の充実にも積極的に取り組まれており、今後さらに良い学校になっていくだろうと、私は信じている。
さて、先日購入した壁掛け時計。
先代は保護者から卒業の記念にと頂いたものだったので、捨てるのは忍びない。
修理に出そうかとも思ったが、新しく買った方がはるかに安そうなので、とりあえずは(動かなくても)飾っておくことにした。
電器屋であれこれ見たが、今は電波時計が主流なのね。電波時計じゃないものを探す方が難しい。
しかもかなり安く手に入る。中でも一番安い物を購入した。
これで、教室の時計はほとんどが電波時計になった。
え〜と、全部で4つかな?
ところが、不思議なこともあるものだ。
4つとも示す時刻はバラバラなのだ。安物だからか?
いや、そもそも電波時計って狂わないのが売りじゃないのかい?
一体どこらへんが電波時計なのだろう?
- 10.9.9 涼
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少しだけ、ほんの少しだけ、秋を感じた。
授業の合間、外に出ると、ひんやりとした空気が流れ、何とも言えぬ心地よさだった。
でも、騙されないぞ!絶対にまた暑くなるはずだ。安心するのはまだ早い。
今日は説明会には出かけなかった。
無かったわけではないが、他の人に任せた。
と言うのも、過去に何度か参加したとき、余り良い印象が持てなかったから・・・。
「2度と行くもんか!」と心に誓ったことを実践し続けている。偉いぞ?呑ちゃん。
サボっていたわけではない。その時間、私はある方とお会いしていた。
はるばる四国から訪ねてきて下さった、大切な大切な客人だ。
多くを語らなくても通じ合える。年下の私が言うのはおこがましいが、「信頼関係」が成り立っているように思う。
お忙しいお方なので、ほんのわずかな時間だけしか話せなかったが、再会を約束してお別れした。
さて、その後は散髪へ。
やっとスッキリとした。
あれ?涼しく感じたのはさらに減ったこの髪のせい??
- 10.9.10 浦島太郎
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雲一つない快晴。幾分陽射しが和らいぎ、心なしか秋の気配を感じるとはいえ、まだまだ日中は暑い。
それでも今日も元気に学校説明会。
今日伺った学校とのお付き合いは長い。
私がHOPESを作る前からかわいがってもらっていたので、かれこれ30年近い。
ところが、今春、校長先生が替わられた。
先代の校長先生とは親しくさせて頂いていただけに、突然の交代には少なからぬショックを受けていた。
何かあったのだろうか?まあ、私如きがそれを知ったところでどうなるわけではないのだが・・・。
そんなわけで、本日の説明会には、新しい布陣はどんなメンバーなのか、また、学校の方針に変更はあるのかなどと、割と興味津々で臨んだ。(不謹慎で酒か?)
メンバーはがらりと替わっていた。
もちろん、新校長は以前から存じ上げていたし、全く初めてお会いする方は少なかったが、何となく個人的には違和感があった。
まあ、今までの私が馴れ馴れし過ぎただけなのだが、少し距離を感じてしまった。
ただ、勘違いしてはいけない。一個人塾と有名私立学校。距離があるのが当たり前。
これを機に、今後はたたずまいを正してお付き合いさせて頂こうと思う。
- 10.9.11 友情
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泣いた!いきなり泣いた!
昨日放映の『探偵ナイトスクープ』第1話。
帰宅したときには、既に放送が始まっており、依頼文は分からないが、おそらく
「転校していった親友に会うため、西宮から和歌山まで自転車でひたすら走る」という内容だと思われる。
西宮から和歌山。距離にして85km。しかも山道だ。
炎天下の中、スタート。8月?の空には雲一つ見当たらない。
探偵(=松村邦洋。ミスキャストかそれともわざとか)はあっという間にリタイヤ。
依頼主の小学生(おそらく5年生か6年生だろう)は、ひたすらがんばる。
それでも、容赦ない暑さは、彼の体力を次第に奪っていく。
カメラは休憩中の彼を映す。
ものすごい汗だ。滝のような汗とはまさにこのことだろう。
しかし、彼の目が良い。すごく良いんだ。
瞳は力を失わず、しっかりと先を見つめている。
全く諦めていない。体は疲れていても、心は萎えていない。
ここら辺から私の涙腺は弛みだした。
一方、転校した小学生も、友がこちらに向かっていると聞き、じっとはしていない。
友を迎えるため、自分も自転車を漕ぎ出す。
いつの間にか日も落ち、辺りは真っ暗。
闇の中の対面になるかと思いきや、転校した方の小学生は、和歌山と大阪の県境で突然漕ぐのを止める。
「『和歌山で会おう』と、約束したから」と言うのだ。
うん。いいな〜。ここらへんが純粋だ。『走れメロス』の現代版か?
やがて、二人は再会を果たす。
お互い交わす言葉が見つからない。が、何を言わずとも、見つめ合う目が全てを語っていた。
呑ちゃん、号泣。
素晴らしい話だった。
計算も妥協も全くない。純粋にひたすら純粋に友を思う心。その純粋さがなし得た快挙だ。
放送されてはいなかったが、きっと帰りも途中まで2人は一緒に走ったに違いない。
別れは辛かったか?
いや、2人の心は繋がったのだから、泣きはしなかっただろう。いつでもまた会えるさ。
- 10.9.12 文化祭
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「仕方がない。曜日が悪い」と呟きながら、授業に臨んだ呑ちゃん。
この土日、各地の学校で文化祭が行われていた。T大寺・N学園・N学園・S天等々・・・。
まあ、女子校の文化祭には行っても仕方がない。と言うより、入れてもらえない?だろうから諦めもつくが、次男の通う学校の文化祭には行きたかった。
結局、彼の在学中には2回だけか。
彼は積極的に参加するタイプではないので、作品が展示してあるとか、模擬店を切り盛りしているとかではないのだが、たまには息子に学校を案内してもらいたいじゃないか。
また、ハニーが所属する茶道同好会のお茶席も覗いてみたかった。
いや、何もお茶を頂きたいわけではない。大体、あんなもんどこが美味いねん。
いろいろな柵にも負けずにがんばってきたハニー。その晴れの舞台を応援したかったのだ。
けっして、ハニーの和服姿を見たいわけではないぞ!
まあ、家に帰ったらゆっくりと話を聞こう。(明日は休みだし)お疲れさま!ハニー
- 10.9.13 鰻
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オフ満喫。ハニーと仲良く外出、お買い物。
と言っても、近くのデパートまで出かけただけなのだが。
法事のお供え物などを選んだ後、カッパちゃんがおねだり。
「欲しい物があるねん」
「何?」
「鰻。すぐそこやねん」
久しぶりに行くデパ地下はすっかり様変わりをしていたが、幸いその店は以前の場所にまだあった。
しかし、驚いた。
10年以上前に、よくそこで買って食べた「ウナギの白焼き」。
当時は確か1000円だったはずなのに、もうビックリ酒るのなんのって。
何と1800円+消費税。
何でやね〜ん。
しばし躊躇(店内を2周りほど)したが、結局買ってもらった。
帰宅後さっそく頂いたが、う〜ん、残念。値段の割には・・・というお味だった。
期待が大きすぎたのかな〜?
- 10.9.14 電話応対
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今日は朝から資料作り。ここ数日、来年の各中学校の入試日程を調べている。
ほとんどの学校は、HPに情報を公開しているが、中にはこの時期になっても昨年の募集要項を掲載している「??」と言いたくなるような学校もある。
そんな場合は、電話で尋ねるしかない。
各学校の反応がまちまちで結構面白い。
丁寧な受け答えをして下さる学校が多い中、こんなケースがあった。
「(そんなこと私は知りません)担当は○○で、今日はもう帰りました。明日かけてきて下さい」
「有難うございます。ではまた」と、言い終わるか終わらぬかのうちに電話は切られていた。
後日かけ直すと
「今授業中です。何分後にもう一度」と言うので、思わず
「こんな簡単なこと(発表日程と出願期間)くらいどなたでも答えられるでしょ。誰もいらっしゃらないのですか」と言ってしまった。
その後は、その人が事務的に数字を読み上げて終わり。まあ、事務だから事務的でもいいので酒がね・・・。
また、ご丁寧に「私では分かりませんので、副校長に繋ぎます」と言われたこともあった。
そんなお偉い方にお訊きするようなことではないのにと思いながら、「お久しぶりです」と恐縮至極で世間話をしてしまった。
電話応対。相手の顔が見えないから難しい。けど、それ故にとても大切だ。
私も丁寧な方ではないし、スタッフが受けたときも似たようなケースは多い。
全ての方がこちらの事情をよく知って下さっている保護者とは限らないのだから、もっと気を配らなければならないと、つくづく感じた。(嗚呼、何て謙虚な呑ちゃん)
- 10.9.15 不発弾
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戦後65年にもなるのに、まだあるのか?
不発弾処理のために環状線が運転休止だという。
実感がわかないが、戦争の爪痕とはかくも大きなものなのか。
おかげで、私たちの授業も振り返るはめに・・・。
- 10.9.16 快食快便理論
-
今日は全体保護者会。
2日間不眠に悩み、ほとんど寝てない(=頭が働かない)状態に加え、小雨が降りしきる蒸し暑さ全開の中、何故か夏物のスーツが見当たらず、仕方なく厚手の秋物スーツを着るというハプニングに見舞われ、笑うしかないようなコンディションで臨むことになった。
午前中は低学年(3〜5年)。現在の心境を正直に申し上げ、どのようにして「発想の転換」に至ったかを説明した。
何とか真意をお伝えできたと思うが、少し喋っただけで汗びっしょり。いきなりバテバテの呑ちゃん。
さて、学力をのばすために何が必要かという話で「快食快便理論」を披露させてもらった。
このネーミングは、2日前に思いついたもの。自分では上手く表現できていると思っていたのだが、保護者の反応は、予想通り?最悪だった。
簡単に言えば「インプットとアウトプットのどちらか一方が欠けていても、学習効果はない」という話。
インプット(=授業への参加、実際に問題を解くこと)を食べることに、アウトプット(=もう一度考え、解き直すこと)を出すことに例え、口から食べたものしか栄養にはならない、サプリや薬では調整は出来ても成長は出来ないと伝えたかったのだが、まだ生徒達の方がストレートに理解してくれたように思う。
午後の部でも披露したかったのだが、失敗するのが目に見えていたので、断念。う〜ん。無念じゃ!
- 10.9.17 バースデイ
久々にぐっすり眠った。訳の分からん夢を見たが、目覚めは爽やか。
おお!そうだ!今日はハニーの誕生日だ。
「祝う年でもないけれど」と、照れながらも、各方面から寄せられるお祝いの数々に嬉しそなハニー!
さあ、私からもプレゼントだ。
お手々ちゅないで電器屋さんにレッツゴー!
ところが、
”誕生日
割引券を握りしめ
はるばる来たは良いけれど
目当ての品は見当たらず”
何ということだ。今年も当日に何も渡せず終い。
もっと下調べをしておくべきだった。
ゴメンよ。ハニー!
さあ、せめて祝杯だけでも一緒に挙げようか。
”待っててね
飛んで帰るよ
カッパやけど”
- 10.9.18 流星号
-
「流星号。流星号。応答せよ!」
このフレーズをご存じの方は間違いなく同世代。
そんなの実在しないじゃないか!と言う無かれ。
私には流星号が存在した。(いやもう過去形じゃなくて過去完了かな)
金さん(本名は伏せておこう)としようか。
金さんは、タクシーの運転手さんだ。
昨日、思いもかけずバッタリ遭遇した。
「え〜!金さん?」
「おお!カッパちゃん。元気そうやね」
「はい。おかげさまで。どないしはったんで酒か?え?もしかしてまだ乗ってらっしゃるんで酒か?」
「そうだよ」
「いや、もうてっきり降りておられると思っておりました」
「いやいや。それにしても何年ぶりになるのかな〜」
「ご無沙汰しておりま酒。今も以前と同じ勤務形態で酒か?」
「そうやね」
「そりゃすごい。また連絡致しま酒」
と、会話の一部を再現したが・・・。
金さんには本当にお世話になった。
初めて乗せてもらったとき、「いや〜!バルブが弾けてから大変だよ」と言われ、面白い冗談を言う人だと思った。しかし、その後も何度か言われたので、どうやら本気で勘違いされていたようだ。
ピーク時は週に何回もということもあった。
もちろん、自宅もよくご存じだ。乗り込むやいなや眠りこけることが多い私を、いつもちゃんと送り届けて下さる。息子達のことも幼い頃からよく知っておられる。
私が金さんの車に乗るのは大抵午前2:00か3:00頃。酔っぱらっていることも多かったが、純粋に仕事で遅くなったことも。
お互いの携帯は知っていたし、金さんの乗車日も把握していたから、ついつい遅くなってもまあいいかと、甘えていた。
遅くまで事務所にいると「そろそろ帰りませんか?」と電話がかかってきたこともあったっけ。
一度、神戸で呑んでいて終電が無くなり、「大阪駅に○時○○分頃に着きます。お願いします」と電話し、私はそのまま意識を失っていたことがあった。
目が覚めたら天王寺駅。あちゃ〜!と思ったら、何と金さんがそこに居るではないか?!いや正確には、駅前で眠っていた私を起こして下さったのが金さんだった。ビックリして目が覚めた。
「え?!どうしてここに??」
「大阪駅におらへんかったから、きっと乗り過ごしているんだろう。多分ここかなと思ったら正解やったんよ」
すげ〜!これぞプロフェッショナル。
私の仕事もだんだんと楽になり、電車がなくなる時間まで働くことは少なくなってきた。
次第にタクシーからは足が遠のき、利用させてもらうのも、今じゃ年に1回か2回程度。
久しぶりにお会いした金さんは、顔色も良く、お元気そうだった。
気軽にタクシーを使えるような身分ではないのだが、もしもの時はまたお願いしたいと思う。
- 10.9.19 縁
-
今朝のこと、一人の生徒が遅刻してきた。
理由を訊くと「鼻血が出たから休んでいた」との返事。
おかしいな〜とは思いながらも、授業続行。
授業が終わりその生徒と話をすると、突然1枚の紙を差し出す。
メモというよりは手紙が書いてあった。
はんにゃ先生
何と親切な方がいらっしゃるのだろう。その方にも用はあったはず。それを見も知らぬ子どものために長い時間付き合って下さり、おまけにお手紙まで書いて下さった。
9/19 朝8:40頃、福島のホテル阪神前で○○君が鼻血を出しながら走っている姿を見ましたので、無理に止め、鼻血が止まるまで椅子に座ってもらいました。
塾が9:30からという事で、お電話をしようと思いましたが、電話番号がわからずで、お家の方もいないとの事でしたので、お手紙にてお伝えさせていただきました。
鼻血は5分程でおさまりました。
本人は塾の時間を気にされていましたが、今日は様子を見てあげて下さい。
何かありましたら、こちらへ連絡をお願いします。9/19 9:14 ○○○○
感激して、手紙の最後にあった連絡先に電話をしようとしたら・・・。
あれ?どこかで見た名前だぞ。
おお!かつての教え子と同じ名前だ。たしかアナウンサーになっていたはず。
こんな縁もあるものかと、しばし感慨に耽っていた。
その方と連絡が取れた。
お礼を申し上げ、最後に尋ねた。
「私の存じ上げている○○様ですか」と。
残念ながら、その方は私の教え子ではなかった。同姓同名(字まで同じ)だけだったようだ。
しかし、そんなことはどうでもよい。
世の中、善い人もいるものだ。素敵な人に感謝!!
- 10.9.20 共有と共感
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「痛みを共有した者だけが喜びを共感できる」
誰の言葉でもない、私の持論だ。
「いや〜。めっきり涼しくなりましたね〜」
「そうですね。今年は殊の外暑かったですものね〜」
やっと、このような会話が交わせるようになった。
ここで思ったのだが、もしも相手がこの夏を避暑地で過ごしていたとすればどうだろう。
相槌を打つのは簡単だが、思いは共有できないだろう。
同じことは受験にも通じる。
がんばった仲間だけが喜びあえるのだ。また、悲しみも。
よく、結果だけを聞き、「○○君はすごいね〜!よくがんばったね〜!」等と言う人がいるが、私はそんな発言をする輩を全く信用しない。
「がんばったね!」と言えるのは、本人の努力を知っている人だけだ。
つまり、本人とその家族だけ。私達もその仲間に含めていただければ嬉しいが、実はその資格がないケースも多い。
ましてや、努力が報いられなかった場合はなおさらだ。
「な〜んだ。大したことないやんか」等と言いたい奴には言わせておけ。
十分の精一杯を尽くしたのであれば、結果に対して卑下ることはない。堂々と胸を張っておけばよいのだ。
結果だけで判断するつまらない人間だけには絶対になりたくないし、生徒達にもなって欲しくない。
ところで話は変わるが、オフの本日は、TVの前でひいきチームの応援。
けど、今年のペナントレースはもうアカンかもね。
まあ、最後まで諦めないで(あくまでも部外者であることを認識しながら)応援したいと思う。
- 10.9.21 嗜好と年齢
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年齢とともに嗜好が変化するのは当たり前。
特に、食に関してはその傾向は顕著だ。
甘いものが大好きだった子どもが、大人になれば苦いものでも平気になり、「甘いものはどうも」なんて偉そうに宣う。
私も同様。子どもの頃は見向きもしなかった食べ物を好きになり、あたかも以前から得意だったような顔をしている。お酒もそうだし、茗荷やニガウリ然り。
その逆は余りない。子どもの頃からの好物は今でも好きだし、食べられなくなったものは殆ど無い。 まあ、味付けは濃いものから次第に淡いものを好むようになったが・・・。
しかし、若い頃は平気だった食べ物を全く受けつけなくなっていると、少々情けなく感じる。
舌が肥えたのではない。そりゃ美味い不味いはあるけれど、味が決定的に違う訳じゃない。
体自体が受け付けなくなっているのだ。それは食べた後にはっきりする。
いつまでも胃がもたれ、ひどい場合は脂汗が出てきて、気分が悪くなる。ファストフードは殆どアウト。(一応断っておくが、世間一般で流通しているものを食べている)
昨日もそうだった。
最近よく目にするある店のCM。期間限定で安くなっているし、美味しそうにも見えたので、ハニーと仲よくお出かけ。
休日の昼すぎ。店は混んでいた。待つこと数十分。さらに料理が運ばれてくるまで十数分。
空腹も手伝い、待ち時間が長い分、否が応にも期待も高まる。
やっと届いた。ジュージューと美味しそうな音を立てている。
「さあ食べよ!」ところが、一口食べて、期待は落胆に替わった。
「あかん」ハニーと目が合った。
私ほどではなかったが、彼女も似たような表情だった。
決して不味いわけではない。中高生の頃なら、ご馳走だと大喜びしただろう。ただ、脂っこ過ぎたのだ。
それでも「残念やったね」と言いつつ、意地汚く完食した中年バカップル。
途中で止めれば良かったのだ。けど、貧乏人の性はそれを許さない。
帰宅してからも数時間すっきりせず、ビールまでもがあまり美味しく感じられなかった。
- 10.9.22 南半球
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授業(5年)で地球の陸地と海の面積の割合の問題が出て来た。
南半球について、ひとしきり説明をした。
・ 北半球の人間は立っていられるが、南半球の人間はぶら下がって生きているので、生活が大変。ウソだと思うなら、コアラを見てごらん。
生徒達は、半信半疑で聞いている。
・ 北半球では、太陽は東から昇るが南半球では西から昇る。
・ 水が渦を巻くとき、北半球では反時計回り。南半球では時計回り。
・ 南半球と北半球では季節が逆。南半球のサンタクロースはサーフィンに乗ってやって来る。
・ 時計の回り方も北半球と南半球では違う。
・ 北半球の人間は前に進むが、南半球の人間は後ろに進む。
流石に途中から「ウソや〜!」と騒ぎ出すが、「私はウソはつかない。いや、ついたことがない」と一蹴する。
まあ、上の例でも半分は真実なのだから、許される範囲ではなかろうか。
ところが、かつてこんな事があった。
ある卒業生が久しぶりに教室を訪れた。
確か中3になってすぐだったと思う。
「おお〜!久しぶり!元気だったか?」いつもの調子の私。
「・・・。・・・。」何故か無言、目に怒りを帯びている。
「どないしたん?」
「先生のウソツキ!」
「なんやと〜!俺がいつウソ吐いた」
「ウ〜ウ〜ウ〜!」唸っている。
「一体何怒っているんや?!」
「南半球!」
「え?」
「南半球じゃ!南半球のことで俺を騙したやろ。今まで全部信じとってんで。今日えらい恥かいたわ!」
そう言い残して、彼は教室を飛び出していった。
「あ〜!純粋な子どもの心を傷つけてしまったか」と、その時は少し反省したが、性懲りもなく今でも同じ冗談をくり返している私。
ただ、その次に彼と出会ったとき、彼は真っ赤な髪で耳にはピアス。私の発言が元でグレたのでないことを願いたい。
- 10.9.23 孫
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夜中に雨の音で目が覚めた。時計を見ると、まだ4:00前だ。もう一度眠りについた。
明け方、今度は雷鳴に起こされた。物凄い音だった。6:00過ぎだったか。まだ早いと、もう一度微睡んだ。
いつ見たのかは定かではないが、変な夢を見た。
そもそも、夢には非現実的なものが多いし、理解不明で当たり前なのだが、妙に懐かしい気分になったので、敢えて書かせてもらおう。(けっして、夢判断などはされぬよう、お願いしておく)
私は赤ん坊と遊んでいる。一人はよちよち歩き、もう1人はハイハイしか出来ない。
シーンの前後から判断すると、どうやら私の孫たちのようだ。
長男の息子が一人、次男の息子も一人。
顔はそれぞれ息子達の幼い頃にそっくり。いや、まるでそのままだった。
次男の息子を抱き上げる。人懐っこい笑顔で喜んでくれた。
赤ちゃんって、こんなに軽かったのか?
大した展開もないまま、夢は終わるが、一体何だったのだろう。孫達の名前もはっきりしない。
近い将来、現実となるのだろうか?いや、いくら何でも、それは少し早すぎるだろう。
何はともあれ、幼い頃の息子達と出会えたことに、感謝。
- 10.9.24 一番乗り
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この日記のアクセスカウンターが111111に達しま酒た。
本当に有難うございま酒。いつも駄文につきあわせて恐縮で酒。
(記念すべきキリ番はカッパちゃんで酒た。あ〜お馬鹿!)
涼しくなって嬉しいカッパちゃん。今日も元気に学校説明会。
女子校に足を踏み入れるまたのないチャンスと、気負いすぎたわけではないが、会場には一番乗りだった。
以前も同じことがあった。その時は9:30受付開始とあるから9:30に行ったら、「早すぎます」と別室で待たされた。
今日は少しゆっくり目に行ったのに、何故?
理由は明白。この学校の説明会は、早く来る必要がないのだ。
説明会開始は10:30。他の学校なら会場にも先生達がいらっしゃって、話をしようと思えばできるが、この学校はただ待たされるだけ。
定刻になると学校紹介ビデオが始まる。待っている間に流せばよいのに、何を考えているのか。
しかも数年間全く同じビデオだ。私は制服紹介のシーンに教え子が映るので、その瞬間だけを楽しみに毎年見ている。
ビデオの後は、校長の挨拶。まあ、これも真新しい話は全くない。
結局、説明は11:00から。(〜12:00)これじゃ、早く行く意味などありゃしない。
常連さん達はそれをよく知っているのだろう。
今年こそは何か変わった話しもあるかと思い、毎年早く出かける私は、ただの馬鹿?
毎年「二度と来ないぞ」と心に誓って帰るのに、それを忘れるなんてやっぱりお馬鹿で酒。
- 10.9.25 十三回忌
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今日は、父の法要(十三回忌)。
と言っても、母と姉夫婦、ハニーと私だけのこぢんまりとしたものだが。
お坊様がお経をあげて下さる間、父のことを思い出していた。
亡くなってからもう12年も経つのか?
息子達もまだ幼かった。祖父の死をどう受けとめていたのだろうか?もしかしたら覚えていないかもしれない。
私自身、親不孝を重ねてきた後ろめたさと、当時の哀しさが、最近風化してきてしまっていることに驚いている。
今年は、何と命日すら忘れてしまっていた。つくづく親不孝者だ。
姉と会うのも久しぶり。年をとると兄弟でも疎遠になるものだ。
義兄とはお互いに文句を言い合っていたが、あれできっと仲よくやっているのだろう。
今度このメンバーが揃うのはいつだろうか。
みながいつまでも健康であればと、切に願う。
- 10.9.26 天高く
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「ぎゃ〜!」
夜中に響く叫び声。
何事だ。驚いている場合ではない。声の主は私だった。
「74.5?!」
初めて見る数字に、思わず叫んでしまった。しかし、ヘルスメーターは確かにそう示している。
「うっそ〜ん!」
今度はそっと乗ってみた。私をあざ笑うかのように、同じ数字が表示された。
何と言うことだ。夏の終わりには70kgを切る寸前までいき、秘かに喜んでいたのに。
そういえば最近、食っちゃ寝。起きては呑み。また食っちゃ寝。の連続だったな〜。
ハニーには「カッパちゃん。そんなんじゃ牛になっちゃうよ!」と言われていたのだった。
いかん。このままじゃ、沙悟浄が猪八戒になってしまう。
「天高く、カッパが肥える秋」なんてシャレにもならない。
と言っても、スポーツをするような元気もないしな〜。
とりあえず、「ちょっと一駅」を復活させるか?
- 10.9.27 『ガマの油』
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先週は結構バタバタした。情けないが、ようやく休めると思うとホッとしていた呑ちゃん。
しかし、今日の休日は、ハニーとは別行動。
とことん自分がダメ男だと再認識した。
ほんの少しだけ仕事をし、後はゴロゴロゴロゴロ。
最近、休日はビデオ鑑賞と決めているカッパちゃん。
え?ダイエットはどうしたって?まあまあ、それは明日から。
今回も寅さんを観てから、さらに新しいビデオを借りに行った。
たまたま手にしたのが『ガマの油』。
この作品のことは全く知らなかった。
演技派の役所広司が出演しているので、面白いだろうと思って借りたのだが・・・。
当たりだった。それも大当たり。
今の私のツボにはまったのか、途中から涙が止まらなくなった。
詳しいコメントは避けよう。と言うのも、時間がある方には是非観てもらいたいから。
邦画独特の蛇足はあるものの、お勧めで酒よ。
- 10.9.28 母
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今日は母の誕生日。
昨年同様、大した祝いなどしていない。
電話でおめでとうと伝えただけだが、昨日会ったからまあいいか?
すっかり老婆と化した母。最近は何かと体の不調を訴えることも多くなった。
そのくせ、つい無理をするから心配でたまらない。
いつまでも長生きしておくれよ。
親不孝な息子より。
- 10.9.29 秘密兵器
トイレに秘密兵器が登場した。
長い間(約20年間)布ロールタオルをレンタルし続けてきたが、その費用も馬鹿にならぬ(多いときは月に2万円程かかっていた)し、タオルの交換に手間もかかる。さらには、衛生面でも疑問の声が上がったので、この際、思い切ってエアータオルを購入した。
問題はトイレに電源がないこと。
取り付けも素人じゃ無理なので、電器屋さんに頼んだが、馴染みのはずなのに、足許を見られたのか、結構ふっかけられた。しかも、時間がかかるから午前中から取りかからせて欲しいと言われ、朝からスタンバイ。結局1時間程度で、はい終了。一体何やねん。私の貴重な時間を返しやがれ!
早速、使用してみた。う〜ん、なかなか良い感じ!
面白かったのは、生徒達の反応。
最初は「これなんじゃ?」とばかり近づこうともせず、誰も使わない。
一人が使うと、次から次へと面白がって、用もないのにやってくる。あっという間に行列が。
しかし、完全に水分を吹き飛ばすには時間がかかるようで、ほとんどの生徒は生乾きの状態で出てきた。
悪い予感的中。案の定、トイレのドアノブはベタベタになっていた。
まあ、ハンカチ持参を徹底させれば問題はないのだろうが・・・。
あれ、そもそも、全員がハンカチを常時携帯していれば、エアータオルなんて必要ないのではないか?
無駄なところに費用をかけているようにも思うが、子どもはなかなか思うようにはいかぬもの。
自分の小学生時代を思い出してみても、ハンカチで手をふいた記憶なんて殆ど無い。
ついついズボンでこするから、ズボンはいつでもテカテカだったし、鼻水なんかもついてたはず。
昔の子に比べて、最近の子は小綺麗にはなった。けど、本質的なずぼらさは変わっていないように思う。
- 10.9.30 予期せぬ攻撃
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曲がりなりにも30年近く毎日授業をしてきた私。
生徒の答えに対しては、ある程度の予想はできる。
「ここではこんな間違いをするかも知れないな」とか、「この箇所を読み落としたら、こんな答えが出るだろうな」とか。
また、誤答からも、どこで間違えたのかその原因を読みとることはできる。
ただ、今年のある学年に関して、これまで培ってきた経験は全く役に立たない。
予想しない答えが次から次へと飛び出してくるのだ。
例えば、昨日の授業で。
「1%とは、もとにする量を100としたときの1を割合で示したもので酒よ。分かりましたか?」
「は〜い!」(全員)
「賢いで酒ね〜。ということは、1%は分数で表せば100分の1で酒ね。小数だとどうなりますか?」
「0.01です」(全員)
「その通り!よくわかりましたね。じゃ、ここで問題です。0.01をパーセントで表して下さい」
「はい!1000分の1です」(H君)
元気は良いんだけどなぁ〜。一体何をどう聞いていたらそうなるの?
また、別の問題。
「600人の25%は何人になるでしょう?」
「う〜ん?」
「じゃ、問題を解く前に考えてみよう。もとになる量は何で酒か?」
「50人です」(Y君)
「????」どこから出てくるんじゃ、その数字は?
しかし、こんなことは日常茶飯事。このレベルで腹を立てていては、話にならない。
それにしても、気を緩めているととんでもないことになる。
まるで、前方から弾が飛んでくるはずと身構えていたら、後ろから大砲が撃ち込まれたり、足下で地雷が爆発したりするようなものだ。
例えは悪いが、よほど神経をとぎすましておかなければ、体がいくらあっても足りない。
また、別の日の授業では・・・。
その日のテーマは『流水算』。非日常的なテーマだから生徒達には捉えにくい。
そもそも、川で泳いだ経験もなければ、船が川を上ったり下ったりしていることすら見たこともないような生徒が多いのだから。
おそらく20年後には『流水算』は消えてなくなっているだろう。問題の考え方は大切なので、問題自体はなくならないが、名称が『エスカレーター算』とかに変わっているはずだ。
おっと、横道にそれすぎた。
馴染みのない問題なので、先ずは用語の説明から。
「上り」・・・のぼりと読むので酒よ。
「下り」・・・くだりで酒。さがりじゃないで酒よ。まして、げりでは絶対ありませんよ〜。
生徒達は、「そんなん分かってるわ〜」と笑っている。
和やかに授業は進み、「じゃ、最後の問題ね。先ずは読んでもらおうかな〜」
「ある船がある川をこぎあがるのに4時間かかりました。またさがるのに・・・」
その場にへたり込んだ呑ちゃん。しばらくは起き上がれなかった。
何故このようなことが起きるのか。理由ははっきりしている。
彼らは、インプットができていないのだ。
話は聞いている。図や式も見ているし、ちゃんと写してもいる。(そうしなさいと指示されているから)
けど、目の前の作業だけで終わっているのだ。頭の中に取り入れていない。
例えば、板書を写す際、数字は書き写しているが、その数字の持っている意味を全く考えていない。だから、ただ写すだけ。頭には入らない。
頭に入っていないものを引き出すことは絶対に不可能。当然、家で復習をしようにも、何も入っていないのだからやりようがない。仕方がないと、また写すだけ。
完全な悪循環。
原因は分かっていても、対策は難しい。どのようにすれば、彼らに無理なくインプットさせることができるのか。
日々、私の過酷な戦いは続くのであった。