<520> 2002.12/9〜2002.12/15
 少し前のことです。息子たちと交わしている「お手紙ノート」に「いつもありがとう」と書いてありました。一体何が?と考えてみると、その日は「勤労感謝の日」でした。きっと、父に感謝というより、単に働いている人に感謝するつもりで書いてくれたのでしょう。唐突だったので、思わず笑ってしまいました。
 そこで、「一体何のために働くのだろうか」と考えてみました。
 先ずは、自らの生活のためでしょう。こればかりはきれい事を言っていられません。収入がなければ生活できないのですから、収入を得る手段として働くのは当然です。しかし、お金のためだけに働くのでは、あまり面白くありません。働くことは、社会に貢献することです。どんな職業も必ず人の役に立っています。たとえ直接その相手が見えなくても、だれかの役に立っているということを忘れさえしなければ、働くこと自体に目的が見出せると思います。
 私自身、これでも教育の一端を担っているつもりです。ただ、対象が目の前の生徒たちに限られており、社会的貢献度はと言えば、あまり大きくないでしょう。また、授業を自己表現の場と考えているため、人のためというより、限りなく自分のために働いているような所もあります。もちろん、生徒たちを志望校合格に導くのは大切なことですが、そのためだけに授業をしているつもりはありません。彼らには、努力することを通じて得られるかけがえのない何かを、感じてもらいたいと願っています。
 おっと、またくどい話を書くところでした。ただ、私がかなり自分の思うがままに生きていることは確かです。わがままを通させてもらっているのですから、「忙しい」とか「ハードだ」などと言ってはいられません。精一杯、頑張りたいと思います。
<521> 2002.12/16〜2002.12/20
 先日の全体保護者会にはご多忙にも関わらずご出席頂き、誠に有り難うございました。
 6年生は今回が最終回となりました。入試を迎えるにあたり、ご家庭で注意なさるべき事について確認をさせていただきました。言うまでもなく、入試を受けるのは本人です。ここまで勉強してきたのも本人です。ですから、何が起ころうと全ては本人の責任です。先ずはそのことを、親子ともども十分に理解する必要があります。ところがよく、自分(=親)ががんばってきたのだと勘違いをして、結果に対して、子ども以上に大騒ぎをしたり取り乱したりなさる方がおられます。入試が終われば、先ず、本人のここまでの努力を讃えてあげてください。また、その段階で反省すべきところがあれば謙虚に反省をさせて下さい。そして出てきた結果を、あくまでも冷静に受け止めてください。決して結果だけで評価しないようにしていただきたいと思います。結果が人間の価値を決めるのではありません。途中の過程において、いかに頑張れたか、精一杯のことができたか、その努力が全てです。本人に対して正しい評価をしてあげることこそが、まわりの者(親や私ども)の使命だと思います。
 6年生諸君。入試までに残された時間は確かにそう多くはありません。しかし、その中で何をすべきか、どのようにするべきかをもう一度考えてください。あきらめるのはいつでもできます。今は精一杯もがいてください。
 低学年の保護者の方々には、現在の学習状況ならびに問題点を報告させていただきました。一概には言えませんが、学力の差の原因は復習とやり直しを徹底しているかどうかがにあるようです。もちろん、目的意識を持って学習しているかどうかが、一番大きい原因であることは言うまでもありませんが。
<522> 2002.21/21〜2002.12/31
 今年も残すところあとわずかとなりました。保護者の方々には、今年も大変お世話になりました。紙面を借りてではありますが、心から御礼申し上げます。
 と書いていても、全く年の瀬という感じがしません。年末に限らずいつもばたばたとしているからでしょうか。それとも、単に私が年をとったからなのでしょうか。年をとると、季節の移り変わりにも鈍感になり、一年が短く感じられるようになるものだ、と聞いたことがあります。その理由には科学的根拠があるそうですが、詳しくは存じません。ただ確かに、子供の頃は一日一日があっという間に過ぎていくけれど、一年は長かった気がします。毎日楽しいことや悲しいことがいっぱいあって、もちろんほとんど何も覚えてはいませんが、明日は一体何が起こるのだろうかと、次の日が来ることをすごく楽しみにしていたような気がします。やはり、子供の方が大人より純粋なのでしょう。純粋な心を確実に失いつつあることは残念ですが、考えようによっては「年をとる」ことは「子どもたちが成長する」ことでもあります。喜ぶべきなのかも知れません。できるならば美しく?年をとりたいのは、言うまでもありませんが。
 さて、冬休みが始まります。クリスマスやお正月と楽しい行事が続きます。帰省する人も多いことでしょう。けれど、生活のリズムだけは崩さないようにして下さい。学校がないからといって、夜更かしをしたり昼ごろまで寝たりするのはやめましょう。また、ふだんは時間に追われているために、勉強が雑になってしまっている人も、休みの間はいつもより時間があるのですから、余裕を持ってできるはずです。しっかりとした計画を立て、丁寧にやっていきましょう。全ては自分の気持ち次第ですよ。
 もちろん、6年生は楽しい冬休みなどと悠長なことは言っていられません。現段階で、安心できるような人は一人もいません。冬休みはまとまった時間がとれる最後のチャンスです。苦しいでしょうが、歯を食いしばり、最後の最後までガンバリ抜きましょう。
<523> 2003.1/1〜2003.1/7<新年号>
 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。今年が皆様にとって素晴らしい年であることを願っております。
 と書いているのは、実はまだ2002年。あと数時間で年が変わりますが、全く実感がわきません。大晦日は、毎年慌ただしくしています。今日もまだ、たくさん仕事が残っています。いつになったら、穏やかな気分で厳かな新年を迎えることができるのでしょうか。
 この1年を振り返ると、何故か不満が残ります。生徒たちが思うように伸びてくれなかった(特に6年生)事もありますが、自分自身が不完全燃焼に終わったような気がしてなりません。その、最大の原因は自分への甘さにあります。2003年は「自分に厳しく」を心がけるつもりです。そして「他には優しく」ありたいとも思っております。
 新年を迎え、生徒諸君はそれぞれの決意を胸に、気持ちを新たにしていることでしょう。目標に到達できるかどうかは、やはり本人の努力次第です。夢が実現できるよう、精一杯努力して下さい。
 さて、6年生諸君。冬期集中講座も後半戦。入試が近づいて来るにつれ、様々な思いがあるでしょうが、とにかく今はがんばるだけです。健康に注意して、最後の仕上げに全力をつくしましょう。
<524> 2003.1/8〜2003.1/12
 冬期集中講座が終了しました。楽しい冬休みでしたか?あっという間の2週間でしたが、きっと充実した毎日が送れたことと思います。
 私たちにとって、正月はそれほど「めでたい日」ではありません。とは言え「単に時間の区切りに過ぎない」と、そこまで割り切っているわけではなく、何となく純粋に新年を喜ぶ気にはなれないだけなのです。やはり、6年生全員の入試が終わるまでは、気を抜くわけにはまいりません。
 さて、その肝心の6年生ですが、ようやく少しずつ手応えが感じられ始め、「何とかなるかな」と思えるようになってきました。しかし、彼らも懸命にやっているのです。「何とかなるかな」ではいけません。「何とかしなくては」なりません。あと2週間。精一杯のがんばりを見せてもらいたいと思います。ただ、最近になって妙に落ち着かない人がいます。その気持ちも分からなくはないですが、今は歯を食いしばり、できる限りのことをして下さい。
<525> 2003.1/13〜2003.1/19
 いよいよ入試が始まります。その結果もすぐに出てきます。厳しい現実が待っているかもしれません。しかし、どんな結果であろうとも、それをあくまで一つの事実として受け止め、浮かれず、落ち込まず、次の目標へと向かって欲しいと思います。
 中学入試は最終目標ではありません。勉強の本来の目的は、人間として正しい判断ができる能力を身につけること、人生の目的を見つけることにあります。入試はそのための勉強をどこで行うかを選択するだけのことで、合格したらそれで終わりというわけではありません。本当の勉強はこれから始まるのです。
 そうは言っても、6年生諸君にとって、ここしばらくは、精神的に大変厳しい時期が続くでしょう。最後の最後まで歯を食いしばって頑張って下さい。泣くのも笑うのも全てが終わってからにしましょう。
 さて低学年のみなさん、次は君たちの番です。特に5年生、1年後には入試に挑むわけですから、この1年間はわき目もふらず、精進、努力して下さい。
<526> 2003.1/20〜2003.1/26
 6年生諸君、いよいよ入試本番です。持っている力の全てを出してきてください。
 弱気になっている人もいるでしょうが、どんなに大丈夫そうでも完ぺきな人などいません。誰もがどこかに弱点をかかえ、不安におびえながら挑んでいくのです。条件はみんな同じです。緊張するのも当たり前です。緊張するなという方が無理です。目一杯緊張してふるえながら受けてきたらよいのです。
 結果なんか気にしていても仕方ありません。失敗したっていいじゃないですか。思いっきりやるだけです。度胸をすえて、さあ、行ってらっしゃい!
<527> 2003.1/27〜2003.2/2
 とうとう6年生の授業が終わりました。ずっーと悩まされてきた学年でした。注意されるとすぐふてくされたり、不満そうな顔になったりします。そのくせ、すぐ同じ事を繰り返し、また叱られる。良く言えばとても幼い、悪く言えば非常に頼りない。そんな生徒たちばかり。学習面でも、ハラハラさせられ通しでした。何度教えてもすぐ忘れる、何回解いても間違える。本当に復習してるのかと疑いたくなりました。とうとう、最後の最後まで安心できませんでした。最終授業でさえも、注意されていました。
 そんな彼らでしたが、私は大好きでした。いつも怒ってばかりでしたから、きっと嫌われていただろうと思います。彼らにすれば、怖いだけの存在だったかも知れません。それでもいいのです。頼りないからこそよけいに可愛く思えるのでしょうか。きっと、そのうち彼らも私が伝えたかったことを理解してくれることでしょう。
 もう今までみたいに会えないのかと思うと、とても寂しくなります。しかし、今は感傷に浸っているときではありません。生徒たちはまだ戦いの真っただ中です。戦いというのは大げさかも知れませんが、歯を食いしばり、懸命にがんばっているのです。
 みんなが笑顔で戻ってきてくれることを信じて、楽しみに待っていようと思います。
<528> 2003.2/3〜2003.2/9
 HOPES12期生の受験が全て終わりました。あっという間の1週間でした。
 それにしても寒かった。入試の応援のために各中学校に行くのですが、1時間ほど立っているだけで、手足の感覚がなくなってしまいます。しかし、私たちにできるのは、せいぜい試験に向かう生徒たちを見送ることくらい。あとは彼らの健闘を祈るだけです。それ以上のことができない、己の無力さを歯がゆく思います。
 さて、12期生はみんなよく頑張りました。自分の持っている全てを出し切れたのではないでしょうか。紙一重の差で明暗が分かれもしましたが、今となっては何を言っても始まりません。ただ、決して結果だけでは判断しないでもらいたいと思います。合否はあくまでも一つの事実として受け止め、反省すべき点は謙虚に反省し、今後に役立てて下さい。合格したから偉いとか、不合格だったからダメだとかいうことは絶対にありません。努力が喜びにつながった人は、今の喜びを忘れずに、これからも努力を続けて下さい。無念の涙を流した人も、精一杯がんばってきたのならば、くよくよすることはありません。堂々としていればよろしい。これで終わりではないのです。大切なのはこれからの自分です。胸を張って生きていきましょう。

 さあ、いよいよ新学年が始まりました。みんなとても元気があり、安心しました。精一杯がんばっていきましょう。特に新6年生。徹底的に鍛えてあげます。信じてついて来てください。目標に到達できるかどうかは、全てあなたたちの気持ち次第です。
<529> 2003.2/10〜2003.2/16
 新学年が始まってから1週間。みんな元気そうで安心しました。と、言いたいところですが、どうやら風邪やインフルエンザにかかっている人が多いようです。ただでさえ、新しい時間帯になれるまでは体調を崩しやすいのに、困ったものです。しかし、なってしまったものは仕方ありません。焦らずじっくりと治すことが大切です。決して無理をしないで下さい。欠席すると授業に遅れるという気持ちも分かりますが、しんどい身体で授業を受けていても頭に入りません。また、他の生徒に伝染ることも考えられます。10年ほど前に教室中の生徒(6年生)に広まり、入試直前だったため、大変だったことを憶えています。症状がひどい場合は帰宅していただくこともあります。どうかご理解下さいますようお願いいたします。

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