私事で恐縮ですが、また1つ年を取ってしまいました。若い若いと思っているうちに、いつの間にか50目前。残りの人生の方が少ないのかと思うと、いささか複雑な気もしますが、これまで気ままに生きてきたのです。それで十分ではないでしょうか。
敬愛する吉田拓郎さんの歌に、ちょうど今の心境と同じようなものがあります。紹介しましょう。『今日までそして明日から』です。
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先日の四天王寺高等学校教頭の小谷良二先生をお招きして行った教育講演会には、多数ご参加下さり、誠にありがとうございました。お陰様で無事に終了することができました。
今回の講演のテーマは「子育てのコツ」〜親として・教育者として〜。難しいテーマでお困りになったようですが、流石は小谷先生、見事にわかりやすくお話くださりました。 実に楽しい講演会でした。先生のお人柄ですね。会場は爆笑の渦。私も何度笑ったことでしょうか。
先生はまず結論から仰りました。「子育てにコツなどない。十人十色。人それぞれでいいのだ」と。そして、その中で心がけるべき点などをお話くださりました。
ここで、簡単ではありますが、小谷先生のことをご紹介いたします。
小谷先生は、四天王寺中学校高等学校で教鞭を執られて40年。数学の先生です。生徒指導の傍ら、長年にわたり入試対策の責任者をお務めになりました。私が先生と初めてお会いしたのもその頃で、もう20年ほど前になります。高等学校の教頭に就かれて既に8年。ご家庭は、奥様(とても愛していらっしゃるようです)と一男一女。大変優秀で、先生ご自慢のお子様達です。お二人とも既に独立されていらっしゃり、近々お孫さんも誕生されるとのことです。小谷先生の評判は、かねてから教え子や保護者からよく伺っており、私は一方的ではありますが親近感を抱いておりました。
さて、話を元に戻しましょう。
少子高齢化社会について語られ、時代の流れとともに教育環境がどう変化してきたか。また、国の施政の混乱から生じた弊害。現在の教育現場の抱える問題点などをお話くださりました。「豊かな時代になった反面、子どもたちは『我慢力』を失った。個性の尊重という言葉で片付けられてきたゆとり教育の弊害は大きく、今こそしつけ教育を通じて『我慢力』を培うべきだ。道徳教育は必要だ」と。全くその通りだと思いました。
では、親が子になすべきことは何か。それは「子に期待しないこと」なのだそうです。「親の役目は、子の特性を見抜き、適性や才能を見きわめることであり、強制や過度の期待は子を伸ばすことにはならない。子は親の代わりではない。親は方向づけだけで十分」と言われ、子どもにやる気を起こさせる4つのスイッチも教えて下さりました。「成功体験は好きになるきっかけではあるが、時として劣等感と向き合うことも必要だ」とも。「自主性の促進に母親の役目は大きい。大切なことは、子を信用すること。子どもには本能的に物事を正しくとらえる能力がある。かと言って、ほったらかしではダメで、行動はしっかりと見守ること。また、子にありのままの親の姿を見せることも大事だ」と仰りました。子どものタイプ(自信過小と自信過剰)によって接し方を変える必要がある、というお話は大変参考になりました。
ご自身の子育てと長年にわたって生徒指導に携わられた経験から話される言葉には、真実の重みがあり、私などはただうなずくばかり。自らの至らなさを反省するとともに、これからの生徒指導に実に多くのヒントをいただき、とても嬉しく思いました。
穏やかな雰囲気の中、時はあっという間に過ぎ、予定の時刻となりました。参加された方々も満足されたのではないでしょうか。心温まる、とても素晴らしい講演会でした。
なお、講演のもようは一部ビデオに撮影いたしました。当日お越しになれなかった方で、ご希望の方はお申しつけ下さい。DVDをお貸しいたします。
今回は悲しいお知らせです。6月をもって小島先生が退職されます。彼が生徒だったときからすれば約20年。職員になってからも6年になります。自分の子どものように思っていただけに、非常に残念です。家庭の事情とのことですが、詳しいことはわかりません。ただ、責任感の強い彼が年度の途中にもかかわらず辞めるというのは、よほどのことがあったのでしょう。仕事の面では、貴重な戦力が無くなるわけですから、大変なダメージです。生徒たちへの影響も心配です。しかし、彼の人生は彼のもの。教え子の1人としての彼を応援していきたいと思います。
正直、複雑な心境ではありますが、私の使命はお預かりしている生徒たちにしっかりとした学力をつけ、彼等の夢が叶うべく応援をすること。感傷にひたることなく、走り続けなければなりません。幸い、授業に関しては、優秀な先生達が力を貸して下さることになりましたので、心配は要りません。生徒たちのサポート面で、不備が出ないように、今まで以上に努力していかねばと考えております。
今度の全体保護者会で、もう少し詳しくお話しさせていただきます。
大雨が降ったかと思うと、良い天気が続き、妙に寒かったり、蒸し暑かったりと不安定な天気です。しかし、気が付けばもう7月。夏は目の前です。
ようやく、夏期集中講座の時間割に科目を入れました。ああでもない、こうでもないと色々考えているうちに、時間がかかってしまいました。新型インフルエンザの影響で日程調整に苦労しましたが、何とか例年通りの授業時間数は確保することができました。6年生は200時間授業。HOPES開設以来、毎年行ってきたことですので、この時間だけは絶対に減らすわけにはまいりません。個人的には超ハードなスケジュールとなりましたが、生徒達に力をつけることが第一。妥協はしたくありません。泣き言も申しません。精一杯がんばりたいと考えております。生徒諸君もついてきて下さい。
先日の全体保護者会には、ご多忙にも関わらず多数ご参加下さり、誠にありがとうございました。
冒頭で、保護者の役割について私見を述べさせてもらいました。この問題に関しては、私自身長い間悩んでおりましたが、多くの方々のご意見を伺っているうちに、おぼろげながらも少しずつ分かってきたように思います。それは、子の成長を願うならばあまり手助けすべきではない、ということです。以前は、子と共に歩むのが保護者のあるべき姿だなどと考えていたこともありましたが、どうやら間違っていたようです。保護者は子の代わりにはなれません。いつまでも一緒にいることも不可能です。ならば、方向性を示すだけで十分ではないでしょうか。大切なことは、環境を整えることだ、と今になって思います。ここで申す環境とは、空間的なものも精神的なものも含めてです。何も至れり尽くせりの環境は必要ありません。子が自立するために、また自らの夢を見つけ実現する事ができるために、最低限のものがあれば十分です。その意味では、学校選びも環境を整える一つでしょうし、がんばって生きている姿を子に見せるのも、広い意味では環境作りになるのではないかと思います。私の考えを上手くみなさまに伝えられたかは自信がありませんが、参考にしていただけたら幸いです。
さて、小島の退職に際してはご迷惑をおかけいたしました。彼は「保護者の方々に許してもらえて良かった」などと申しておりましたが、とんでもない勘違いです。失礼な発言をお詫び申し上げます。保護者のみなさまは、許して下さったわけでも認めて下さったわけでもありません。仕方がないと思われているから何も仰らないだけなのでしょう。私どもにできることは、以前よりよい環境を構築すること。それ以外に認めていただく方法はないと思っております。精一杯努力いたしますので、どうかご理解とご協力よろしくお願いいたします。
梅雨明け宣言もされないうちに、とうとう1学期が終了。いよいよ夏休みです。今年は新型インフルエンザの影響で、夏休みが短くなった学校もあるようで、少々気の毒な気もします。私たちもそのためにやや変則的な時間割となってしまいましたが、授業の内容や時間数などには変更はありませんので、ご安心下さい。
思い起こせば19年前の夏。とても暑い日にHOPESはスタートしました。8畳程の和室に机とイスを運び込み、窓に黒板を取り付けただけの教室でした。そこに10名ほどの生徒がひしめき合っているのですから、クーラーなんてほとんど効きません。今の生徒諸君ならきっと逃げ出すでしょうね。まあ、当時は私も若かった。もしも今、あの状況に戻れと言われたら、流石に体力的には無理かも知れません。それでも気持ちは変わっていないつもりです。生徒達一人一人のことだけを真剣に考え、ひたすら授業に打ち込んでいたあの頃・・・。などと、懐かしがっている場合ではありませんね。生徒の気質は昔と変わってきましたが、彼らの心を熱くさせるのは私たちの仕事。この夏の過ごし方一つで全てが決まるのですから、私ももう一度初心に返り、完全燃焼をめざしたいと思います。
集中講座が始まり早10日。生徒達の様子に一喜一憂しながら毎日を過ごしております。
6年生諸君。ようやく本気になったようですね。真剣に取り組む者が増えてきました。見ていて頼もしく感じます。依然としていい加減なスタイルを改めない者も若干おりますが、どうしようもありません。彼らは自らチャンスを逃しているのです。結果として当然起きるだろう現実を身をもって知ればよいでしょう。もちろん懸命にやっている人たちは、その成果が現れるのを楽しみにして下さい。努力は人を裏切りません。
5年生。宿題や復習を一見真面目にこなしているように思えますが、残念ながら表面上の学習に終わっている者が多いようです。そうですね。半分以上の生徒は、ただやっているだけ。まるで3年生です。(今の3年生も積極的に取り組んでいる人は少ないですね)同じ時間をかけながら、取り組み方一つで成果が全く違ったものになることをきっと知らないからでしょうが、つくづく「もったいないことをしているな」と感じます。むしろ、4年生の方が意欲的に取り組んでいる者が多いように思えます。答を写しているだけのような者もいますが、少数です。(少数だからこそ余計に目立つのですが・・・)今の調子を保っていけば、きっと楽しみな学年になるはずです。
さて、アルゴクラブと3年生・4年生のみなさんは、しばらく授業がありません。楽しい計画やイベントもきっと多いでしょう。目一杯楽しみ、心と体を元気にして下さいね。ではまた後半、素敵な笑顔を見せて下さい。規則正しい生活を忘れちゃいけませんよ。
早いもので、後2週間で夏休みも終わりです。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。私は「今年は夏を越せるだろうか」などと弱気になりながらのスタートでしたが、何のことはない、激やせするどころか丸まると太り、元気そのものでここまでやっております。
ただ、生徒達のことを考えると、心中穏やかではありません。本気になり切れない6年生。いい加減な5年生。意欲に乏しい4年生。頼りない3年生。どの学年も悩みの種が尽きません。その一方で、保護者の要求はエスカレートするばかり。「私は魔法使いじゃな〜い!」と何度心の中で叫んだことでしょう。(実際に言ったこともありました)「全ては自分のせいですよ」と突き放してしまいたいところですが、幼い子どもに全責任を求めるのも酷かと思い、可能なかぎり穏やかに注意してきたつもりです。しかし、そろそろ限界です。一向に改めようともしない人に向かって、これ以上同じ注意をくり返すのは、正直辛いものがあります。厳しく言わなければ分からないのであれば、そうして差し上げましょう。でも、これで最後ですよ。注意ばかりしているとつまらない授業になってしまい、熱心な生徒達にまで悪影響が出てしまうからです。
夢を叶えるには努力が必要です。なのに、最低限の課題も果たさず、結果だけ最高を望むのは、虫が良すぎませんか。それじゃ、ただの欲張りと言われても仕方がないでしょう。
とうとう夏休みが終わってしまいました。みなさんは充実した夏休みでしたか?
終盤に入って急に涼しくなりましたね。実際少しバテてきていたので、この気候の変化は正直ありがたかったです。
しかしその反面、心配なことが一つ。そうです。新型インフルエンザです。きっと、学校が再開したら、また流行するのでしょう。この暑い8月でさえ感染者が多数発生したのですから、涼しくなり、いや寒くなる頃には、どれほど広まっているのでしょうか?ワクチンも不足していて、全員には行き渡らないと聞いています。入試直前に感染したらどうすればよいのでしょう。心配ばかりしていても始まらないのは分かっているのですが、大切な受験生を預かる身としては、やはり心配は尽きません。必ず罹るものならば、その日を予約できないだろうか、などと馬鹿げたことを真剣に考えてしまいます。
感染自体は仕方ないことですが、感染の拡大は防ぎたいと思います。つきましては、当分の間教室内でのマスク着用をお願いしたいと考えております。教室に入るときは手洗いとうがいをしっかりして下さい。マイコップもお忘れのないように。また、疑わしい症状が認められたときは、登塾を自粛して下さい。発熱や咳が出ている場合は帰宅していただくこともあるかと思いますが、ご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。
今回は、専門外ではなはだ恐縮ですが、選挙について書かせてもらいます。
先日の衆議院選挙。自民党が大敗しましたね。まあ、当然の報いでしょう。国民は、改革とは痛みを伴うものだからと我慢を強いられ、信頼を裏切られ続けたのです。それでもまだ期待するほど、お人好しではなかったということですね。その結果、民主党の圧倒的大勝利。政権交代を果たしました。少しでも生活が良くなってほしいという願いの現れでしょう。しかし、この結果を喜んで良いものかと考えると、不安になります。民主党に全幅の信頼を寄せ投票した人もいるでしょうが、多くの人は自民党に愛想を尽かし、自民党以外の選択肢として選んだのではないかと思うのです。スタートする前からケチをつけるみたいで気は進みませんが、政権公約にしてもどれほど守られるのでしょうか?口約束で終わらないことを願うばかりです。
今回のことは、決して他人事ではありません。私どもにもあてはまることです。生徒たちに我慢を強いて、結果が伴わなければ、それはウソつきだと言われても仕方がないでしょう。もっとも、勉強が政治と違うのは、主役が生徒たちだということです。例えば入試。私たちが合格させるわけではありません。生徒の努力が結果につながるのです。そのサポートをするのは私たちの役割です。寄せられた期待に背くことのないように、基本的な方針は曲げることなく、また改めるべき点は改めて行きたいと考えております。
ところであの選挙速報ですが、分からない事だらけです。なぜ開票率が1%にも満たない段階で、当選確実と言えるのでしょう。最後の1票まで何が起こるか分からないはずだと考えるのは、稚拙なのでしょうか。算数の先生としては大変理解に苦しむところです。