<750> 2007.10/22〜2007.10/28
 さあ、これからという時期に風邪をひいてしまいました。誠に申し訳ないことです。
 ここ数日急に寒くなったからでしょうか?それとも睡眠不足がたたったのでしょうか?精神的に落ち込むことが多かったからでしょうか?原因は分かりません。ただ、気持ちが萎えると体調も悪くなるものなのですね。それにしても久しぶり(約20ヶ月ぶり?)です。幸い症状はまだ軽いのですが、困ったことに気力が湧きません。しっかり休養をとって、早く治したいと思います。
 記念の750号だというのに本当に情けないかぎりです。
<751> 2007.10/29〜2007.11/4
 朝刊に、「ゆとり教育反省」と言う記事が載っていました。以下、読売新聞から抜粋。
 次の学習指導要領を審議している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)が、近く公表する中間報告「審議のまとめ」の中で、現行の指導要領による「ゆとり教育」が行き詰まった原因を分析し、「授業時間を減らしすぎた」などと反省点を列挙することがわかった。

 中教審は1996年、それまでの詰め込み教育への反省から、思考力や表現力といった学力と、他人を思いやる心などを「生きる力」として提唱。現行の学習指導要領は、この「生きる力」の育成を教育目標に掲げ、小中とも授業内容を3割削ったり、総授業 時間数を1割近く減らしたりしたほか、教科を横断した学習で思考力などを身につける「総合学習の時間」の創設を盛り込んだ。しかし、指導要領が実施されると、授業時間の減少により、「基礎学力が低下した」「子供の学習意欲の個人差が広がった」といった批判が相次いだ。
 私も、このことに関しては何度かこの欄でもコメントいたしました。当時は、薄っぺらくなった教科書に驚き、かつ憤りを覚えました。そして、「このままじゃいかん。子ども達の学力は確実に低下する。生徒達を救うために私達が出来ることは何だろう」と真剣に考えました。出した答えは、
  1. 覚える勉強より考える学習を目指す。
  2. 新指導要領には振り回されず(どうせ必ず元に戻るから)、学年の枠にも敢えて拘らず必要な知識を確実に与える。
といったものでした。
 子ども達はまさに被害者です。新指導要領が導入された当初こそ、抵抗する風潮もありましたが、私が怖れていた通り、次第に慣れてきて、今では何の違和感もなく受け止められています。私どもの保護者の中でさえ、「こんな難しいことは学校では習わない。だから分からなくて良い」と、子どもに仰る方が現れる有様です。10年前と比べれば、生徒達の学力は確実に学年1年分ほど低下してしまいました。例えば、以前ならば3年生に教えても普通に理解してもらえた内容を、現在の4年生に伝えても、首をかしげる者の方が圧倒的に多いのです。高学年も然りです。私自身「どうせ解ってもらえないなら、もうこの問題は外そうか」と何度思ったことでしょう。しかし、その度に思い止まり、必死の抵抗を試みてきました。中学入試問題のレベルは10年前から変わっていません。むしろ少し難化しています。最終的に到達すべきレベルは変わらないのです。なのに、お預かりする段階では1年分ほど遅れている。となると、今までならば2度3度と繰り返し学習し、時間をかけて理解できた内容も、1回きりの学習で理解しましょうということが起こってきます。私達は危機感を持って臨んでいますが、生徒達には全くその意識はありません。そのギャップが私を悩ませるのです。しかし、生徒達に危機感を持てと言っても所詮は無理なこと。ならば、私達がもっと授業を工夫して、より解りやすく教えていくしか方法はないのです。現在の学校制度はしばらく続きます。決して諦めずに精一杯努力していこうと考えております。
<752> 2007.11/5〜2007.11/11
 年間休講日を利用して、3日連続日帰り旅行を敢行してきました。
 初日は近場。吉野までドライブ。紅葉のシーズンはまだだったようです。次の日は香川まで。うどんを食べに・・・いや違います。香川誠陵中学校を見学してきました。最終日は少し足をのばして鎌倉まで。詳細?をお知りになりたい方は、HPの「カッパの日記」に書いておりますので、どうぞご覧ください。3日間ともそれぞれ有意義な時間を過ごすことができたのですが、実はかなり自己嫌悪におちいっております。
 と申しますのも、3日目にある親娘とお会いしました。そのお嬢さんは現在闘病中です。次々と訪れる試練。いや、試練と言うにはあまりにも過酷な現実です。お母様は
『時には絶望的な思いが心を占領して、悲観的なことばかり考え、時にはとても楽観的に、なるようにしかならないと思えるときさえあります。ある時は、病気のことを考えることさえしたくなくなり、ほかのことで気を紛らわして現実から逃げてしまいたいと思う時もあれば、ひたすら今の気持ちを誰かに訴えたいと思う時もあります。・・・』
と、ご自身のブログの中で記されていました。
 ところが、お会いしたときはご本人もお母様も、辛そうな表情は最後までお見せになりませんでした。無理に明るく振る舞われているようでもありません。おそらく、現実を受け止め、しかし決して絶望はせず、あくまでも前向きに困難に立ち向っておられるからなのでしょう。その姿には胸を打たれました。素晴らしい精神力です。
 それに比べて私はどうなのだと思うと、情けなくなったのです。生徒達には偉そうなことを言っているくせに、自分自身、いまを精一杯生きているのだろうか。だらだらと無為な時間を過ごしていないだろうか。その生き方で満足なのか・・・。答えは明白でした。もう一度自分自身を真剣に見直さねばと考えております。
<753> 2007.11/12〜2007.11/18
 先日の冨士中学校の土居宗千代校長先生をお招きした学校説明会には、ご多忙にもかかわらず多数ご参加いただき、誠にありがとうございました。
 今回も熱いお話をうかがうことができました。私はまたもや泣いてしまいました。説明会の内容について詳細は差し控えますが、お話を聞いて私は大いに反省いたしました。それは生徒の指導に関してのことです。ご存じのように、私は生徒を厳しく指導します。ところが、時として限度を超えて叱りすぎることがあります。また、NGワードを言ってしまうこともあります。それは『ダメ』という言葉です。「お前それじゃダメだよ!と言った途端に、その生徒に対して、ダメでなくなるまで責任が生じる」と校長先生は仰ります。「いくら言っても分からない生徒に対してでも『ダメ』と言ってはいけない。相手が分からないのであれば、分からせる工夫をしろ」と常に冨士中学校高等学校の教員には言っておられるそうです。大変耳が痛い話でした。生徒が集中していないのであれば、集中させる必要があり、家庭学習が十分でない生徒には、自発的に学習させる工夫が要る。頭では理解していても、はたして私は努力していたでしょうか。ただ叱りつけるだけだったのではないでしょうか。最近は以前よりは辛抱強くなったと思いますが、それでも工夫をするより前に、(一応事情を聞いてからにしろ)怒っていた方が多かったように思います。
 さて、どうすればよいのでしょうか。この場を借りて「今後一切怒りません」と宣言したとしても、おそらく守れないでしょう。生徒達は年々どんどん幼くなってきています。思考は短絡的で、行動は行き当たりばったり。約束は守らず、保身のためのうそやごまかしは当たり前。集中力は持続せず、楽ばかり求めます。悲しいかな、これが現実です。しかし、それを嘆いてばかりいても何も始まりません。諦めてしまったら終わりです。そこで、私はあることを試みようと思っております。即効性のあることではありませんから、おそらく時間がかかることでしょう。しかし、しばらくやってみようと考えております。効果の程は、次の全体保護者会で発表するつもりです。
 なお、今回の学校説明会は一部ビデオに撮影しました。ご希望の方がいらっしゃいましたら、DVDを貸し出し致しますので、お申し込み下さい。
<754> 2007.11/19〜2007.11/25
 平素は、私どもの指導方針にご理解とご協力をたまわり、誠にありがとうございます。皆様方のご期待に応えるべく、日々努力を重ねているつもりでおりますが、まだまだ未熟者の私、至らぬ事ばかりで申し訳なく思っております。
 さて、このたび、若野房夫先生(帝塚山中学校高等学校元校長)に、HOPESの教育顧問に就任していただくことになりました。過去に2回教育講演会をしていただいておりますので、ご存じの方も多いと思います。先生については、今さら改めて申し上げるまでもありませんが、帝塚山中学高校に40年間お勤めになり、常に教育現場の最前線を歩んでこられました。化学の教鞭を執る傍ら、生活指導にも積極的に関わり、生徒や保護者からは絶大なる信頼と尊敬を集めておられました。常に生徒の学力向上に腐心なさり、お会いするたびに「生徒達に学力をつけるためには、もっと教師の資質を向上させないといけない、カリキュラムも工夫しなければいけない」と熱く語られていました。女子英数コースの導入も先生のご功績です。同校をご退職後、他校に校長として迎えられ、積極的に改革をなさり、その学校は進学校として生まれ変わりました。
 先生と私は20年ほどのおつきあいになります。かねてから、生徒指導に関していろいろとお教えいただいておりました。退職されてからも、教育にかける情熱は衰えることなく、私などはお話をうかがうたびに自らの至らなさを感じ、情けなくなるばかりでした。
 今回、HOPESの教育顧問に就任していただいたことは、私どもにとっては大変光栄なことです。先生が、実際にどのようにして生徒達の学力を伸ばすことに成功されたのかをうかがって今後の方針の助けとするとともに、また、成績を上げるための工夫なども具体的に指導していただけると喜んでおります。さらには、生徒指導に関してのみならず、私学の立場から見た目で、様々なアドバイスをいただけると楽しみにしております。
 ついでながら申し添えておきますと、先生はとても気さくな方で、その穏和なお人柄はだれからも慕われています。保護者の方々、どうぞよろしくお願いいたします。
<755> 2007.11/26〜2007.12/2
 はや11月も終わり。いよいよ気ぜわしくなってまいりました。授業はもちろんのこと、冬期集中講座の時間割、来年度の予定など、考えることが一杯で目が回りそうです。一つずつ解決していくより方法はありませんので、逃げずに(逃げてどうすんじゃ〜)取り組んでいきたいと思います。
 さて、今回はアルゴクラブのこと。ふだんはあまり書かなくて、アルゴクラブの皆さんごめんなさい。
 今年の2月からアルゴクラブに加盟しました。当初は不安もありました。まず、低学年の生徒(1年生〜3年生)が対象であること。次に授業をするスキルが私自身にあるかということ。そのために研修も受け(研修生の中では一番の高齢だったと思います)、私なりに学習しました。出来るかどうかと悩むより、先ずはやってみよう。分からない所は、本部に指導を仰ぎながらやっていけばよいと、腹をくくりました。しかし、最後の心配は、果たしてメンバーが集まるだろうかと言うことでした。最低でも4人集まらなければ成立しません。そんなもろもろの不安を抱えながらのスタートでしたが、おかげさまで楽しく授業をさせていただいております。私自身が楽しんでいなければ、生徒も楽しめないはず。注意は最小限に留めよう、しかし生徒の機嫌を取るような真似は決してするまい、と心に誓い、ある程度のことは我慢し、根気強く接しながら行ってきました。生徒達はリラックスした雰囲気の中、楽しそうに参加しています。メンバーも本部の協力をいただき、順調に集まりました。定員に達したため、何人かの方にはお断りさせていただきました。
 先日は「アルゴクラブ公式戦(ペア戦)」を行いました。ゲームとはいえ、勝ち負けがついて回ります。感情的になる者がいないかと心配しましたが、みな和気あいあいと楽しんでいました。正直なところ、もっとスキルの上達を望みたいのが本音ですが、これまで全体の和を一番に考えて指導してきた結果だから、まあ仕方ないかなと思っております。
 来年度は、アルゴクラブも2クラスになります。初心者コース(アルゴクラブ1年目の人対象)と中級者コース(2年目以降の人対象)です。どの時間帯にどのように設置すればよいのか、現在悩んでおります。う〜ん。どうしよう。
<756> 2007.12/3〜2007.12/9
 さて、いよいよ12月。色々な意味での正念場を迎えました。
 まず、今週は全体保護者会。全体保護者会は私どもと保護者の意思疎通の良い機会だと考えております。私どもが生徒たちへ行っているさまざまな指導。果たして保護者の方に理解されているのでしょうか。中には「納得できないところもあるけど、まあ、仕方ないから任せておこう」とお考えになっている方もいらっしゃるのではないかと思います。しかし、それはとても残念なことです。私どもが目指すものは相互理解です。生徒と私たち。私たちとご家庭。そして、本人と保護者。その三者の間に誤解があるようでは、学習指導はうまくいきません。そればかりか、成果も望めません。また、一方的な要求はされる方もする方も疲れるだけです。先ずは私どもの考えを聞いていただきたいと思います。そして、疑問がございましたら遠慮なさらずお尋ね下さい。ご意見はありがたく承りたいと考えております。もちろん、そのための時間はいつでも取らせていただきます。ぜひ、保護者会には参加いただき、率直なご意見をうかがいたいと思います。
 そして、6年生。入試までの残り時間はどんどん少なくなってきています。それなのにまだ、無計画に行き当たりばったりの学習しかしていない人が目立ちます。焦らすつもりも、慌てさせるつもりもありません。より確実に仕上げていくためには何が一番大切かを、各人がもう一度考え直してほしいと思います。みんなの答えは、今度の全体保護者会で保護者の方を通じて聞かせてもらいます。
<757> 2007.12/10〜2007.12/16
 先日の全体保護者会には、ほぼ全員の方が出席して下さいました。誠にありがとうございました。
 午前中の低学年の部では、「学力を伸ばすために一番大切な事は何か」について、私見を述べさせていただきました。具体的な方策もいろいろあるとは思いますが、何より大切なものは『教師と生徒の信頼関係』だと申し上げました。指導が一方通行にならぬように気を配り、でこぱん便・近くでトークなど様々な取り組みも行ってきましたが、まだまだ不十分です。生徒達に私達が信頼し得る存在だと認めてもらうためには、もっともっと自らを高めなければと痛感しております。さて、その場で少し触れましたが、私が現在考えているのは「低学年の強化」です。常々、中学受験で一番重要なのは5年生での学習だ、と申し上げてきました。6年生になってから本気を出したのでは、遅いのです。基礎が疎かな状態では応用力はつきません。そのために、次年度から4年生と5年生の授業時間数を増やします。登塾日数も増え(4年生は週3日から週4日に。5年生は変わりません)、ご家庭の時間調整が大変になるとは思いますが、学力をつけるためです。何卒ご理解とご協力をたまわりますよう、お願いいたします。詳細は追って発表いたします。
 午後は6年生の部。いよいよ1ヶ月後には入試が始まります。なのにまだ真剣になりきれない生徒達。計画性のない学習。見せかけだけの勉強。この時期にこのような状態では、志望校合格など到底望めません。先週のこの欄で、ご家庭で真剣に話し合ってどうするべきか答えを見つけて下さいと書きました。ところが、実行して下さったのは半数にも満たないという状況でした。本人の意思を尊重する。やる気が出るのを待つ。そんな悠長なことを言っていられません。必死にならなければならない時期はとうに過ぎています。表現は良くありませんが、死に物狂いで取り組むべきです。本人の情熱と積み重ねてきた努力の量とに比例して結果は決まるのです。甘い夢は捨てて下さい。
<758> 2007.12/17〜2007.12/21
 第1回の新年度入塾説明会は無事終了いたしました。悪天候にもかかわらず、多数の方にご参加いただきました。誠にありがとうございました。
 説明会の告知は、この通信とホームページくらいなもの。にもかかわらず、多くの方にお集まりいただけたのは、ひとえにHOPES在籍あるいは卒業生の保護者の方々のお力添えのおかげと、心から感謝しております。紙面を借りてではございますが、御礼申し上げます。
 相も変わらぬ私の拙い説明で、はたしてどれほど私どもの考え・目指すものが伝わったか、甚だ不安ではありますが、参加された方はみなとても熱心に聞いて下さいました。きっと理解していただけたのではないかと思っております。
 ところで、その場でふと感じました。この説明会に参加されている方々が羨ましいと。
 私は、自分の子育てが失敗だったとは思っておりません。しかし、あの時こんなことを言わなければ良かった、と思ったことは少なくありません。今ならあんな言い方はしなかっただろうに、出来ることならその時に戻ってやり直したい、と思ったこともあります。しかし、説明会会場におられた方々は、全てがこれからなのです。我が子との信頼関係を、勉強を通じて損なうことなく、さらに強いものへと高めていける。何と素晴らしいことだろう。と、思ったのです。そして、私どもにそのお手伝いができるならば、これほど嬉しいことはないと感じました。
 もちろん、一人の生徒をお預かりすることは、その子の人生の一端を担うことであり、とてもとても大きな責任が生じます。しかし、その責任の重さを感じながら、頑張っていきたいと思います。素敵な関係を築いていくことができればと願っております。
<759> 2007.12/22〜2007.12/31
 え?今年最後?!自分でも驚いていますが、年内最終のHOPES通信となりました。
 1年をふり返るとか、総括するとか、今一つそう言う気分になれません。きっと、私の中ではまだ何も終わっていないからでしょう。
 6年生はいよいよ大詰めを迎えました。先日、保護者の方との最終面談も終了しました。受験する学校も確定し、あとは試験の日が来るのを待つだけ・・・。と言えれば嬉しいのですが、とんでもない。まだまだ仕上がっておりません。だれ一人として安心できる人はいません。けれど、決して諦めてはいけません。最後までもがいて下さい。確かにあと残された時間はわずかです。しかし、これからの1ヶ月足らずの過ごし方で、全てが決まるのです。精一杯の努力をして下さい。
 低学年の皆さんにとっては、クリスマスやお正月と楽しい行事が続き、嬉しい冬休みだと思います。しかし、あえて一言。長い休みになるとペースを崩してしまう人が毎年必ずいます。生活のリズムだけは崩さないようにして下さい。学校がないからといって、夜更かしをしたり昼ごろまで寝たりするのはやめなさい。ふだんは時間に追われて勉強が雑になってしまっていた人も、休みの間はいつもより時間があるのですから、余裕を持ってできるはずです。しっかりとした計画を立て、ていねいにやっていきましょう。全ては自分の気持ち次第ですよ。

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